愛を裁けますか

『愛を裁けますか』について

『愛を裁けますか』は、1982年9月から12月まで毎日放送が制作したテレビドラマで、TBS系列の「木曜座」にて放送されました。このドラマは、アーヴィング・ウォーレスの著書『七分間 ポルノグラフィー裁判』を基にしており、全18話にわたって放送されました。主なテーマはポルノ小説を巡る裁判で、元恋人同士という複雑な関係にある女教師と弁護士の愛の行方が描かれています。

あらすじ

物語の中心には、会津若松で日本史の教師を務める相馬睦子がいます。シングルマザーの彼女には9歳になる娘・由美がおり、継母のしのぶと共に苦しい日々を送っています。ある日、作家不詳のポルノ小説『七分間』が発売され、地域で話題になりますが、直後にわいせつ図書として回収され、出版元の東栄堂も摘発を受けてしまいます。この事件は、町を揺るがす波紋を呼び起こし、睦子の生活にも影響が及ぶことになります。

東栄堂の社長は、弁護士の村上恭助に弁護を依頼します。しかし恭助は、妻の父からの「手を引け」という忠告を振り切り、裁判に立ち向かっていく決意を固めます。この裁判は、睦子の父が実は『七分間』の著者であり、作中の娼婦のモデルが亡き母である可能性が取り沙汰されることになります。この噂はマスコミを巻き込み、睦子は周囲からの厳しい目にさらされることになります。

しかし、この流れは全て政財界の黒幕である大武一徳の策略によるものでした。彼の息子・吾郎は、睦子の教え子であり、父親から裁判で証人として検察側に立つよう指示を受けます。一方、検察サイドもこの裁判を利用して、自らの目的を達成しようと動き出します。検事の望月は、『七分間』のわいせつ性を証明するために計画を練り、睦子はついに法廷に立つ決意をします。

法廷での証言は、かつての恋人であり、現在は反対側に立っている恭助との再会をも意味します。この場面での彼らの過去や愛のもつれが、新たな展開を生み出すことになるのです。

キャスト

このドラマには華やかなキャストが揃っています。相馬睦子役には山本陽子が、村上恭助役には滝田栄が配されました。その他、村上ひとみ、和恵、そして大武一徳役にはそれぞれ山口いづみ、加藤治子、三國連太郎が出演しています。さらに、望月検事役には石橋蓮司、今井彦治役には下條正巳が名を連ねています。

まとめ

『愛を裁けますか』は、愛と裏切り、正義と欲望が交錯する中で、主人公たちがそれぞれの立場からどのように向き合っていくのかを描いた作品です。このドラマは、視聴者に人間関係の複雑さを思い起こさせるとともに、社会問題への示唆をも与える内容となっています。

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