愛知国際放送

愛知国際放送株式会社の概要

愛知国際放送株式会社（RADIO-i）は、かつて日本の愛知県で外国語によるFM放送を行っていた一般放送事業者です。1999年に設立され、特に中京広域圏と静岡県浜松市を中心に放送業務を展開していました。特徴的だったのは、愛知県内の放送局では唯一、静岡県に中継局を持っていた点です。

開局と運営

2000年4月1日に正式に開局したRADIO-iは、開局当初からキャッチコピー「Feel the waves, Soothe your mind.」（波を感じ、心を癒せ）のもと、リスナーに向けた多様なプログラムを提供しました。放送内容は日本語や英語のほか、中国語、タガログ語、スペイン語、韓国語、ポルトガル語など、多言語にわたるものでした。このように広範な視聴者をターゲットにした放送は、愛知県の国際化を促進するための重要な役割を果たしていました。

赤字と閉局の決定

しかし、開局から10年以上の間に、RADIO-iは慢性的な赤字経営に苦しむこととなります。地域のラジオ離れや広告収入の減少が重なり、2010年には累積赤字が28億円を超える事態に直面しました。親会社の興和も経営支援が困難となり、最終的に2010年9月30日をもって自主的に閉局する決定に至ったのです。閉局日は17時間にわたる特別番組が放送され、リスナーに感謝の気持ちが伝えられました。

放送形態と受信エリア

RADIO-iは、79.5 MHzでの放送を行い、愛知県の名古屋を中心に、豊田市や岡崎市、岐阜県美濃地方や三重県の平野部など広範な地域で聴取可能でした。特に高地からの送信であったため、受信状況は良好で、地域の他の局とも競合することなく、リスナーに親しまれていました。放送は24時間体制で行われ、一部の時間にはメンテナンスのための放送休止もありましたが、多くのリスナーに支持される人気を誇っていました。

閉局後の動き

閉局後、RADIO-iの理念を受け継ごうとする動きがあった中で、2010年にはインターネットラジオ「RADIO iSCAPE」が設立され、名古屋市内で新たな放送事業をスタートさせました。また、2012年にはInterFMが中京圏で外国語のFM放送の再開を発表し、一般リスナーへのサービスの提供が再び実現しました。

結論

愛知国際放送は、開局から閉局までの10年間にわたり、多様な言語のプログラムを通じて地域の国際化を推進し、広範なリスナーに影響を与えました。しかし、収益の未達成や経営環境の悪化により、こうした努力にもかかわらず自主閉局を選択しました。RADIO-iの存在は、地域ラジオ局の役割や、メディアが如何に変化するかを示す貴重な事例となっています。

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