愛知池

愛知池（あいちいけ）

愛知池は愛知県の日進市、愛知郡東郷町、およびみよし市に位置する調整池です。この池は、二級河川・境川水系の前川上に設置されており、正式名称は東郷調整池といいます。この地域では愛知用水の水の流れを調整する重要な役割を果たしています。

概要

愛知池は、愛知用水の水量を効率的に管理するために人工的に作られた湖です。愛知用水の幹線水路の中間地点に位置し、ここで管理されるのは、愛知県と岐阜県の複数の市町で利用される水です。池の管理を行っているのは、独立行政法人水資源機構が運営している東郷ダムです。

このダムの特性については、堤高が31メートル、堤頂長975メートル、堤体積は1,040千立方メートルに及びます。また、有効貯水量は9,000千立方メートルとなっており、これは傾斜遮水ゾーン型フィルダムとして設計されています。水は、岐阜県八百津町の愛知用水取水口で取水された後、幹線水路を流れ込む仕組みになっています。さらに、矢作川から流れてくる工業用水も含めて、愛知池は多様な水源から水を受け入れています。

愛知用水の水は、主に農業用水として27の市町にわたる1万5,000ヘクタールの農地に供給され、また11の市町の家庭約83万人に向けて水道用水としても利用されています。加えて、その水は工業用水としても多くの企業で使用されており、特に愛知県や岐阜県の多くの工場がその恩恵を受けています。

愛知池の利活用

本池は、ただ水源として利用されるだけでなく、全国的にも有名な漕艇競技場としても知られています。愛知池では、1994年に開催された第49回国民体育大会や、平成30年度全国高等学校総合体育大会などのボート競技が行われ、現在も愛知県ボート協会が管理する専用の漕艇コースが設けられています。コースは1000メートルの長さがあり、7レーンの配置となっています。

周辺の施設には、トヨタ紡織のボート部やデンソーのボート部があり、そのほかにも東郷町が設置したトーゴーボートハウスでは、ナックル艇の貸し出しサービスも行っています。このように、愛知池は地域住民のレクリエーションの一環としても活用されています。

周辺環境

愛知池周辺には、愛知牧場や愛知池運動公園などもあり、訪れる人々にとって憩いの場となっています。また、東名高速道路の東郷パーキングエリアも近く、アクセスも良好です。名鉄豊田線の米野木駅からは徒歩約10分の距離にあり、バス路線も整備されているため、多くの人々が訪れることができます。特にジョギングやウォーキングを楽しむための周回路も整備されており、運動をするには適した場所です。

愛知池には名鉄の愛知池橋梁が架かっており、こちらは256メートルの長さを誇っています。このような地域の特徴から、愛知池は単なる貯水池にとどまらず、地域の文化やスポーツ振興にも寄与する存在となっています。

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