愛知県水産試験場

愛知県水産試験場の概要

愛知県水産試験場（あいちけんすいさんしけんじょう）は、愛知県における水産業の研究および指導を目的として設立された愛知県立の研究機関です。所在地は愛知県蒲郡市にあり、さらに4つの分場を展開しています。主な研究対象地域は三河湾と伊勢湾であり、このため三重県水産研究所との協力関係が築かれています。

歴史

この機関は1894年5月に幡豆郡一色町に設置され、日本の地方自治体において最も古い歴史を持つ水産試験場です。以降、長い年月にわたり水産業に関する様々な研究が行われています。

組織構成

愛知県水産試験場は、場長と所長が組織のトップとなっています。主な部門には次のような構成があり、それぞれが特定の研究課題に取り組んでいます。

• - 本場（蒲郡市三谷町若宮）

- 管理課: 庶務業務を担当し、組織全体の管理を行います。
- 企画情報部・企画普及グループ: 試験研究の企画や調整を行い、研究成果の公表を通じて技術や知識の普及に努めます。
- 漁場環境研究部・漁場環境研究部漁場保全グループ: 赤潮や青潮、貧酸素水塊の発生メカニズムの研究や、プランクトンによる貝類の毒化に関する調査を行っています。
- 漁場環境研究部・漁場改善グループ: 海水浄化機能を持つ藻場の保全技術や底質の改良技術の研究を進めています。

• - 漁業生産研究所（南知多町）

- 海洋資源グループ: 漁業資源の持続可能な利用を目指し、漁業調査船を用いた観測や人工衛星による海況のモニタリングを行います。
- 栽培漁業グループ: 本県で特に重要な漁獲種について、養殖に関する様々な研究を実施しています。

• - 内水面漁業研究所（西尾市）

- ウナギとアユの養殖: ウナギの人工種苗生産や病気診断の研究を行い、養殖業の発展を助けます。

• - 弥富指導所

- 金魚の研究: 鑑賞魚である金魚に関する研究や普及活動を行っており、観賞魚を扱う全国的にも珍しい機関です。

沿革

試験場は1994年に設立100周年を迎え、これを機に様々な施設や設備の整備が進められてきました。その後も研究の充実を図るため、新たな技術や知見を取り入れ、常に進化を続けています。

船舶

漁業調査船や水質調査船など、多くの船舶が運用されており、研究活動に欠かせない存在となっています。1908年に初代の漁労試験船が完成して以来、数多くの船が造船され、研究や調査のために活用されています。

主要な研究課題と成果

愛知県水産試験場では、アサリやウナギ、イカナゴなど様々な水産物に対する研究が行われ、特にウナギの人工種苗生産やバイオテクノロジーを用いた魚類の生産において重要な成果が上げられています。また、海洋環境の調査や、漁業技術の改善に向けた取り組みも行われており、持続的な資源管理を目指しています。

結論

愛知県水産試験場は、地域の水産業を支える重要な役割を担っており、今後も様々な研究活動を通じて、水産資源の持続可能な利用に貢献していくことでしょう。

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