愛知県畜産総合センター

愛知県畜産総合センターについて

愛知県畜産総合センターは、愛知県岡崎市丸山町に位置する重要な畜産試験場です。このセンターには、豊田市に2つの牧場、北設楽郡豊根村に1つの牧場、そして小牧市に種鶏場があります。これらの施設は、地域の畜産業の発展を支えるために連携しています。

沿革

愛知県畜産総合センターの歴史は1923年（大正12年）に始まります。その年、岡崎市美合町に農商務省から土地が交付され、「愛知県種畜牧場」として設立されました。設立当初から、農業が直面していた慢性的な不況の中で、自給飼料の栽培や有畜農業の普及を目指し、多様な研究を行ってきました。

1924年には実習生制度が導入され、地域の農業従事者の子弟に対して集団指導が行われ、1年間の研修あたり月額15円の手当が支給されました。1930年代には、農業の再生を目指して「追進会」が結成され、低迷する農業に対する対策が講じられました。1934年には、名称も「愛知県追進農場」に改められ、農山漁村経済更生運動の一環として農村青年の教育実践にも取り組むようになりました。

1937年には満州への農業移民のため、基本訓練が開始され、1943年までに約200名の若者を大陸へ送り出す活動が行われました。1949年には、種畜場が現在の岡崎市丸山町に移転し、1970年には「愛知県種畜センター」と改称されました。

1991年には、複数の牧場や種鶏場が統合され、新たに「愛知県畜産総合センター」として再出発を果たしました。この再オープンを記念する「愛知県畜産フェスタ」が同年に開催され、その後も毎年行われており、地域の畜産業の振興を図る重要なイベントとなっています。

組織

愛知県畜産総合センターは岡崎市だけでなく、いくつかの施設を持ち、各施設が異なる役割を持って地域の畜産業を支えています。

愛知県畜産総合センター 三河高原牧場

• - 所在地: 豊田市東大林町半の木3-39
• - 営み: 地域の農家へ繁殖素牛や受精卵を供給するため、優良な繁殖素牛の生産・育成を行っています。総面積は約25.8ヘクタールです。

愛知県畜産総合センター 段戸山牧場

• - 所在地: 豊田市小田木町タカドヤ1-2
• - 営み: 酪農家向けに優良な子牛を育成し、6か月及び21か月の育成を経て譲渡しています。面積は161.7ヘクタールです。

愛知県畜産総合センター 茶臼山高原牧場

• - 所在地: 北設楽郡豊根村大字坂宇場字御所平70-178
• - 営み: 段戸山牧場の牛の夏期放牧用の施設で、面積は58.6ヘクタールです。

愛知県畜産総合センター種鶏場

• - 所在地: 小牧市大字大草字年上坂5818-1
• - 営み: 名古屋コーチンなどの優良なひなを生産し供給する全国唯一の増殖機関です。2023年に安城市から小牧市に移転し、今後の産卵率向上を目指しています。

愛知県畜産総合センターは、地域の農業を支え、持続可能な畜産業の発展に寄与するために、今後も様々な取り組みを行っていくことでしょう。

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