愛知県陶磁美術館

愛知県陶磁美術館：日本のやきものの歴史と魅力に触れる旅

愛知県瀬戸市に位置する愛知県陶磁美術館は、陶磁器を専門とする県立博物館です。1978年の開館以来、日本の伝統的な陶磁器から現代の陶芸作品、そして世界各地のやきものまで、幅広いコレクションを展示しています。緑豊かな丘陵地に建つ美術館は、本館、南館、西館、陶芸館、古窯館、そして茶室「陶翠庵」から構成され、来館者は一日を通して陶磁器の世界を堪能できます。

美術館の歴史と変遷

愛知県100周年記念事業の一環として、1972年に建設が計画されましたが、オイルショックの影響を受け、当初計画より規模を縮小して1978年に「愛知県陶磁資料館」として開館しました。その後、1990年代には増改築工事が行われ、現在の規模となりました。2013年には「愛知県陶磁美術館」へと名称が変更され、さらに充実した施設へと進化を遂げています。

多彩な展示と体験

本館は地下1階、地上3階建てで、7つの展示室と特別展示室、ショップ、レストラン、図書室（約17,000冊）を備えています。常設展示では、日本の陶磁器の歴史を網羅した展示や、世界の陶磁器を紹介する展示などが行われています。企画展や特別展では、現代陶芸家の作品や、特定のテーマに焦点を当てた展示も開催され、来館者は常に新しい発見を楽しむことができます。

南館には、子どもたちが楽しく陶磁器について学べる、分かりやすい展示や体験コーナーが設けられています。西館では、県指定有形民俗文化財である陶製の狛犬コレクションを展示しており、その歴史と芸術性を垣間見ることができます。

陶芸館では、実際に陶芸体験ができるワークショップを開催しています（有料）。古窯館では、平安時代から鎌倉時代にかけて使用されていた窯跡や、室町時代の大窯、江戸時代の登り窯の復元模型を見学することができ、やきものの歴史を肌で感じることができます。

貴重な文化財

愛知県陶磁美術館は、数多くの貴重な陶磁器を所蔵しています。その中には、国宝や重要文化財に指定されている作品も含まれており、日本の陶磁器の歴史を語る上で重要な役割を果たしています。

重要文化財

猿投灰釉多口瓶（平安前期）
渥美灰釉芦鷺文三耳壺（平安末期）
陶製五輪塔 久安二年（1146年）銘（平安末期）

愛知県指定有形文化財

陶製牡丹文経筒外容器（平安末期）
猿投灰釉短頸壺（平安中期）
鉄釉巴文瓶子（鎌倉末期）
猿投灰釉短頸壺及び平瓶（平安前期）

愛知県指定有形民俗文化財

陶製狛犬コレクション（210躯）

アクセスと情報

美術館へのアクセスは、愛知高速交通東部丘陵線（リニモ）陶磁資料館南駅から徒歩約600メートル、または名古屋市営地下鉄東山線藤が丘駅、名鉄瀬戸線新瀬戸駅・尾張瀬戸駅からタクシーを利用できます。無料駐車場も250台分用意されています。開館時間や休館日などの詳細は、公式ウェブサイトでご確認ください。

まとめ

愛知県陶磁美術館は、日本のやきものの歴史と文化を深く理解するための、最適な場所です。子供から大人まで、幅広い世代が楽しめる施設となっています。瀬戸市を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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