慈光寺 (広島市)

慈光寺は、広島県広島市西区草津東に位置する日蓮宗の寺院です。山号を普門山と称し、「草津の妙見さん」という通称で地元の人々に親しまれています。この寺院は、京都の満願寺を旧本山とし、奠師法縁（奠統会）に属しています。

歴史

慈光寺の歴史は、室町時代の文安4年（1447年）に開創された禅宗寺院に遡ります。江戸時代の寛永年間（1624年～1645年）には、金剛禅師が近隣に海蔵寺を開創し、慈光寺をその末寺としました。その後、元禄14年（1701年）に、普門院日周の弟子である良貞坊が海蔵寺から寺を譲り受け、日蓮宗へと改宗しました。翌年の元禄15年（1702年）には、公儀からの許可を得て、堂宇を現在の場所に移転しました。

しかし、寛政元年（1789年）には火災により諸堂が焼失するという災難に見舞われました。さらに、昭和20年（1945年）には広島原爆によって再び諸堂が甚大な被害を受けました。慈光寺は爆心地から約4930メートルの距離に位置しており、この原爆によって大きな打撃を受けました。現在の本堂は、平成20年（2008年）に再建されたものです。これらの歴史を通じて、慈光寺は幾多の困難を乗り越え、今日に至っています。

境内

慈光寺の境内には、以下の主要な建造物があります。

山門：この山門は広島市の被爆建造物に指定されており、歴史的な価値と原爆の惨禍を伝える重要な遺構です。
本堂：現在の本堂は、平成20年（2008年）に再建されたもので、その美しい姿は訪れる人々を魅了します。
鐘楼堂：平成29年（2017年）に建設された鐘楼堂は、境内に新たな趣を加えています。

歴代住職

慈光寺の歴史を支えてきた歴代の住職には、以下のような方がいます。

啓誠院日等（5世）
龍玉院日研（16世）
正道院日乗（17世）
妙道院日正（18世）
龍淵院日慈（19世、21世）
龍遠院日法（20世）

これらの歴代住職の尽力によって、慈光寺は今日まで法灯を守り続けています。

脚注

慈光寺に関する情報は、以下の資料に基づいて作成されました。

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)

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