慶州歴史地域

慶州歴史地域の魅力

慶州歴史地域（キョンジュれきしちいき）は、大韓民国の慶州市近辺に広がる、歴史的な遺跡や古墳を保護し、公開している重要な場所です。この地域は、新羅王朝が紀元前1世紀から10世紀に栄えた都であり、新羅時代に築かれた数々の古墳や仏教関連の文化遺産が点在しています。そのため、慶州は「屋根のない博物館」として知られています。また、この地域の代表的な遺跡である石窟庵と仏国寺は、1995年に韓国で初めて世界遺産に登録されました。さらに2000年には、慶州周辺の他の歴史遺物がユネスコの世界遺産に追加登録され、現在では南山地区、月城地区、山城地区、皇龍寺跡地区、大陵苑地区の5つのエリアにわかれています。

歴史的価値と遺産

南山地区

南山地区では、多くの磨崖仏が現存しており、これらは山の岩肌に彫られた大きな仏像から小さな石像まで多様です。一般的に「七仏庵」とも呼ばれ、訪れる人々を魅了しています。

月城地区

月城地区には、国立慶州博物館が立地し、新羅時代の古墳から出土した美しい仏教関連の芸術品が展示されています。瞻星台はこの地区で非常に注目されている遺跡で、建造年や目的は不明ですが、韓国では東洋最古の天文台とされています。また、半月城はその半円形の形状にちなんで名付けられた新羅時代の城跡です。

大陵苑地区

大陵苑には約400,000㎡の広さに渡って、味鄒王陵など23基の古墳が点在しており、ここは新羅王の墓として重要な役割を果たしています。このエリアには天馬塚なども含まれ、多くの観光客が訪れます。

復元事業と課題

最近では、慶州の歴史的な遺跡の復元事業が進行中です。1972年から推進された慶州総合開発計画は一時中断していましたが、2025年までに9450億ウォンを投じる計画が立てられ、現在も進行中です。しかし、この復元は資料に基づかない創造的な解釈が多く、専門家からは多くの批判が寄せられています。特に、復元に関しては、歴史的資料が乏しく、想像のもとに行われるため、懸念の声が上がっています。

建物や遺跡の復元にあたり、歴史学者たちは「想像の都市」が形成されているとの批判をしています。例えば、月淨橋の復元は、中国の古代建築に基づいてしまったため、過剰に拡大されたという意見もあります。さらに、東宮と月池の復元についても、基礎部分しか確認されていない状態で建物の上部構造を復元することに疑問が生じています。

このような批判を受け、文化財保護に関する基準を見直す必要性が指摘されることもあります。新羅王京の最初の姿については、誰もその原型を正確に把握していないため、復元計画は慎重に進める必要があります。

まとめ

慶州歴史地域は、新羅王朝の文化や歴史を今に伝える貴重な遺産が揃う場所で、観光客にとっても興味深いエリアです。しかし、一方で復元事業に関する問題も多く、歴史的な価値を慎重に考慮しながら進めていく必要があります。これからもこの地域の魅力を存分に楽しむための努力が求められているのです。

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