憲兵とバラバラ死美人

映画『憲兵とバラバラ死美人』の概要

『憲兵とバラバラ死美人』は、1957年8月6日に日本で公開されたサスペンス映画で、監督は並木鏡太郎が務めています。主演の中山昭二が演じるのは、元憲兵大尉の小坂慶助というキャラクターで、新東宝が製作した作品です。この映画は、小坂慶助の著書『のたうつ憲兵』を原作とし、実際に戦時中の憲兵隊で起きた猟奇的な事件が描かれています。

あらすじ

物語の舞台は昭和12年の秋、宮城県仙台市。歩兵第4連隊の主力部隊が満州に転属されている中、連隊の炊事場付近にある井戸から妊婦の切断された遺体が発見されます。この不可解な事件は捜査が難航し、東京から憲兵隊の曹長である小坂が派遣されることになりますが、地元の憲兵隊は小坂の動きに懐疑的です。小坂は警察と協力し、事件の真相を探ることになります。

容疑者として浮上したのは炊事班長の軍曹。この男は周囲にさまざまな噂が立つ人物であり、地元の憲兵隊からは厳しい取り調べを受けていました。しかし、小坂は東北帝国大学の資料を調査し、単独犯ではこのような遺体の移動は不可能であることに気づきます。彼は次第に事件の背後に潜む真実を探ろうとし、隣接する陸軍病院が事件の鍵を握っている可能性に目を向けます。

調査を進める中で、小坂は霊安室近くの井戸からさらなる手がかりとして手足の切断された部分を見つけ出します。果たして彼は、この猟奇事件の真犯人を突き止めることができるのか、謎が深まる展開が続きます。

キャスト

主要キャストには、主人公の小坂徳助を演じる中山昭二をはじめ、鮎川浩演じる高山忠吉、細川俊夫の萩山憲兵曹長など、豪華な面々が揃っています。脇役にも個性的なキャラクターが多く、それぞれが物語の緊張感を高めています。

スタッフ

この映画の製作には大蔵貢が関与し、企画は岡本良介によって策定されています。脚本は杉本彰が手掛け、助監督には勝俣真喜治が名を連ねています。監督の並木鏡太郎がどのようにこの作品を映像化したのかも、観客の興味を引くポイントです。

評価

『憲兵とバラバラ死美人』は、公開当初から様々な感想を集めています。コピーライターの糸井重里は、若かりし頃にこの映画を間違って観てしまい、その結果としてトラウマを抱えることになったと述べています。しかし、糸井が記憶に抱く筑波久子は実際には本作に出演していなかったことが、その後の検証によって明らかになっています。このように、本作は観た者に強い印象を与え続けています。

今回の作品は、ただのサスペンス映画にとどまらず、戦時中の社会背景や人々の心理を描いた深みのある内容となっており、視聴者に多くの思索を促す作品であると言えるでしょう。

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