成就院 (目黒区)

成就院（じょうじゅいん）の概要

成就院は、東京都目黒区に位置する天台宗の寺院で、一般的には「蛸薬師」という愛称で知られています。この寺院の歴史は、858年（天安2年）に慈覚大師円仁によって始まります。

由来の物語

開山した慈覚大師円仁は、薬師如来の像を自ら彫り、その像を常に身に付けていました。ところが、唐から帰国する際に大嵐にあい、船が危険な状態になってしまいました。その時、やむを得ず円仁は薬師像を海に投げ込む決断をし、嵐から逃れることができました。

しかし、この像はただの像ではありませんでした。後に、円仁が肥前国松浦（現在の長崎県松浦市）に訪れた際、海の中で偶然にも、彼が投げ入れたはずの薬師像が蛸の上に乗って浮かんでいるのを見つけます。この不思議な出来事は、円仁にとって大変な喜びとなり、取り戻した像をより大切にするようになりました。

蛸薬師の建立

元々松浦での経験を元に、円仁は目黒の地に、蛸が支える姿で再び薬師如来像を彫製しました。この像を本尊として寺院を建立し、これが成就院の成立の背景となり、そこから「蛸薬師」との名が生まれました。

境内の見どころ

成就院の境内には、江戸幕府3代将軍の徳川家光の弟である保科正之の母であるお静の方が、息子の成長を願い奉納した地蔵菩薩像がある「お静地蔵」が存在します。この地蔵菩薩像は、当寺の歴史の中でも特に重要なものであり、今でも多くの参拝者に親しまれています。また、家光によって勧請された「秋葉大権現」も境内にあり、こちらも初期の徳川将軍家にゆかりのある存在とされています。

アクセス情報

成就院へのアクセスは非常に便利で、不動前駅から徒歩約6分の距離に位置しています。駅からのわずかな時間で訪れることができるため、訪れる人々にとっては便利なロケーションとなっています。

まとめ

成就院は、そのユニークな由来や歴史的背景、さらには文化的な価値から、多くの人々の心を惹きつける寺院です。目黒区を訪れた際には、ぜひ立ち寄ることをおすすめします。これにより、歴史の一端を感じることができるでしょう。

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