成希顔

成希顔（ソン・ヒアン）の生涯と業績

成希顔は1461年に生まれ、1513年に亡くなった朝鮮前期の著名な文臣であり、朱子学者及び性理学者として知られています。彼は字を愚翁、号は仁斎、そして諡号を忠定としています。本貫は昌寧成氏に属しています。

彼は、嶺南学派の宗祖である金宗直の弟子として幅広く学び、多くの知識を身に付けました。1485年には別詩文科の乙科に見事合格し、政治の世界に足を踏み入れました。しかし、連山郡に対する風刺が含まれた詩を作ったために、その後に従九品という低い官位に降格されました。

その人生の中で、成希顔は中宗反正に参加し、積極的に活動しました。中宗反正は、政権の腐敗を正すための動きで、彼は主要な役割を果たしました。この反正の成功によって、成希顔は次第に昇進し、左議定を経て最終的には領議政という高い地位に至りました。

生誕と初期の学問

成希顔は副判官の成瓚とその妻の全州李氏の間に生まれました。彼の母方の祖父は徳泉君李厚生です。彼は早い段階で金宗直を訪ね、彼の指導を受けながら学問を深めました。1480年に生原市の試験に合格し、成均館で儒学者としての基盤を築きました。

1485年に別詩文科の乙科に合格したことは、その後のキャリアにおいて重要な出来事となります。この時期、成宗は崇儒政策を推進しており、彼の学問は国王からも注目されていました。その後、彼は礼賓寺主簿として文官としてのキャリアを続けます。

軍事と外交の経験

燕山君の治世においても、彼は文武共に重用されました。1499年には軍器寺の副正に任命され、西征都元帥李季全の従事官を務めました。また、1503年には同知中枢府事として明に派遣され、重要な外交の任務を果たしました。皇太子に対する礼を果たすことによって昇進する機会を得ました。

しかし、1504年に彼は再び困難に直面します。燕山君の暴政を風刺した詩を詠むことで、彼は従九品に降格されました。この時、燕山君の治世はますます暴走し、民心が離れ、その権威すら低下していました。成希顔はこの状況を受け、共に反正を企てる仲間を募ることになりました。

中宗反正とその影響

1506年、成希顔は朴元宗や名望家の柳順汀と共に中宗反正を起こす決定的役割を果たしました。この行動により、燕山君は廃位され、中宗が新たに擁立されました。この功績は広く認められ、彼は国に貢献したとして一等級の功臣に称賛されました。さらに、兵曹判書や吏曹判書の地位に昇進し、重要な役職に就くことになります。

学問に深く取り組んでいた成希顔は、地位が上がった後も贅沢を避け、品位を保つことを心掛けました。1507年には昌山府院君兼判義禁府事として、その知識を生かし国内の混乱を収拾する努力をしました。また、明の皇帝に対して中宗の即位を願い出るなど、外交にも尽力しました。

晩年と死後の評価

彼の職務は多岐にわたりましたが、最終的には1513年に領議政に任命されるなど、政治の重要な場面で力を発揮しました。しかし、彼は常に学問を重んじ、公私にわたる礼儀作法を守り続けました。死後は中宗の陵墓に埋葬され、忠定の諡号を受けることとなりました。

成希顔の生涯は、政治、学問、そして外交の方面での多様な貢献によって刻まれ、歴史に名を残しました。

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