成瀬正住

成瀬 正住について

成瀬正住（なるせ まさずみ）は、尾張藩の附家老であり、尾張犬山藩の第8代当主として知られています。彼の生涯は、藩の政治や文化の発展に寄与し、多くの歴史的エピソードを持っています。

生い立ちと家督相続

文化9年（1812年）9月30日、成瀬正住は第7代当主成瀬正壽の長男として生まれました。幼少期から藩において大きな期待を受け、文政11年12月には従五位下・主殿頭に叙任されるなど、早くからその才能と地位を確立していきました。その後、天保9年（1838年）10月27日に父の死去により家督を継ぎ、同年内には隼人正に転任しました。

藩主への仕官とその影響

成瀬正住は尾張藩主の斉温、斉荘、慶臧、慶勝の4代に渡り仕えました。彼の藩における役職は、単なる家老に留まらず、藩政や外交においても大きな役割を果たしました。特に、天保7年（1836年）に起こった斉温の婚儀の際には、名古屋にいた先代藩主徳川斉朝の怒りを買った出来事がありました。これは、正住が斉朝を無視して犬山城に入城した際の事件です。この一件は尾張藩内の権力闘争を象徴するものであり、正住の立ち位置が如何に重要であったかを物語っています。

また、天保10年（1839年）には、斉温の没後に斉荘を新藩主として迎える際に、幕府との交渉を任されるなど、藩の重鎮として活動しました。この際に、斉朝には一切相談がなかったことが、後の藩主体制に大きな影響を与えることとなります。

晩年と死去

成瀬正住は安政4年（1857年）9月18日（または19日）に死去し、享年は46歳でした。彼の後を継ぐ者は、2男4女の子どもを持ちましたが、男子は短命であったため、娘婿の正肥が養子として家督を継ぎました。このように、正住の家系は次世代へと脈々と受け継がれていきました。

芸術への関与

成瀬正住は、単なる政治家や家老にとどまらず、絵画においても才能を発揮しました。特に狩野派の面を描くことや、花草鳥の絵にも巧みな技術を持ち、文化的な側面にも寄与しました。彼の芸術は藩内外に多くの影響を与え、当時の文化の発展に寄与する要素の一つとなりました。

系譜

成瀬正住の家系については、父が成瀬正壽、正室は奥平昌高の娘でした。また、養子には青山忠良の三男である成瀬正肥がいます。このような家系の中で、正住は尾張藩のために尽力し、政治や文化面での功績を残しました。

成瀬正住は、その生涯において多くの業績を残した人物であり、その名は今もなお歴史の中で語り継がれています。

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