犬山藩

犬山藩の歴史と成り立ち

犬山藩（いぬやまはん）は、尾張国に存在した藩ですが、正式な立藩は1868年の新政府の動きによるもので、それ以前は江戸幕府の体系下では藩として認識されていませんでした。藩の居城は犬山城（白帝城）で、現在の愛知県犬山市北古券に位置しています。

成り立ちの経緯

犬山藩の起源は、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いに遡ります。この戦いでは、犬山城主の石川光吉が西軍に与して改易されました。その後、尾張では徳川家康の四男、松平忠吉が新たに52万石の土地を得ました。この時、忠吉の家老として小笠原吉次が犬山に所領を持つことが決まり、これが犬山領の始まりとなります。

吉次が慶長12年（1607年）に下総佐倉[[藩]]に移封された後、犬山城には家康の九男、徳川義直が入ったという歴史があります。義直の附家老として平岩親吉が犬山を支配することになり、彼は11万3000石を掌握しました。しかし、親吉は慶長16年（1611年）に嗣子なく亡くなり、その所領は尾張[[藩]]に取り込まれることとなります。

この遺言に従い、犬山は一時的に尾張[[藩]]の一部として扱われることとなります。さらに、元和3年（1617年）には成瀬正成が3万石で入封し、犬山成瀬氏が設立されます。この家系は、尾張[[藩]]の補佐をしているが、大名としては独立した地位を得ることはありませんでした。

独立を目指した二人の当主

犬山成瀬氏の当主たちは、独立を試みるも、その野望は実現しませんでした。第7代当主・正寿と第8代当主・正住はそれぞれの時代に独立の試みを行いましたが、いずれも失敗に終わりました。

明治維新と犬山藩の誕生

1868年、明治維新が進展する中で、犬山成瀬家は正式に犬山藩主となり、尾張徳川氏から独立することができました。これにより、藩は新政府の下で新たな運営が開始され、翌年には版籍奉還を経て成瀬正肥が犬山藩の知事に就任しました。

藩制の変化とその後

しかし、明治4年（1871年）には廃[[藩置県]]によって犬山藩は犬山県となり、その後名古屋県に合併されました。この名古屋県は後に愛知県に改名され、額田県とも合併を果たします。明治28年（1895年）には犬山城が成瀬氏の所有となります。

歴代藩主の紹介

犬山藩の歴代藩主は以下の通りです：

• - 小笠原家

- 小笠原吉次

• - 平岩家

- 平岩親吉（11万3000石）

• - 成瀬家

- 成瀬正成（3万石）
- 成瀬正虎
- 成瀬正親
- 成瀬正幸
- 成瀬正泰
- 成瀬正典
- 成瀬正壽
- 成瀬正住
- 成瀬正肥

所有地

犬山藩が治めていた領地は、尾張国の数村と美濃国の一部に及んでいました。特に、尾張国の愛知郡や春日井郡、丹羽郡などの地区が含まれていました。

このように、犬山藩は長い歴史の中で幾多の制度変更や主君の交替を経ながら、独立を目指して努力してきた一方で、最終的には新政府の下で新たな形の県として統合されていきました。

もう一度検索