成瀬正幸

成瀬正幸（なるせまさゆき）は、1680年（延宝8年）に生まれ、1743年（寛保3年）に没した、江戸時代中期の武士です。

尾張藩の附家老であり、尾張犬山藩の第4代藩主を務めました。父は犬山藩の第3代藩主である成瀬正親（なるせまさちか）で、その長男として生まれました。正室には、堀直利（ほりなおとし）の娘を迎えています。

成瀬正幸には、長男の成瀬正泰（なるせまさやす）と、娘がおり、娘は松平尚泰（まつだいらひさやす）の室となった後、広橋勝胤（ひろはしかつたね）の室となっています。

幼名は小吉（こきち）と称しました。1703年（元禄16年）に父・正親が死去したため家督を継ぎ、同年12月には従五位下・隼人正（じゅごいのげ・はやとのしょう）に叙任されています。この官位は、彼の武士としての地位と功績を示すものです。

1732年（享保17年）には、長男の正泰に家督を譲り、隠居しました。そして、1743年（寛保3年）に64歳で生涯を閉じました。法号は随峯院殿實相轉幽居士（ずいほういんでんじっそうてんゆうこじ）です。

成瀬家の菩提寺は複数あり、その中には臨溪院（りんけいいん、愛知県犬山市）と白林寺（びゃくりんじ、名古屋市中区）があります。臨溪院には、正幸までの4代の墓碑が並んでおり、成瀬家の歴史を今に伝えています。一方、白林寺の墓所は、名古屋市の戦災復興土地区画整理事業により平和公園へと移されました。

系譜

父：成瀬正親
正室：堀直利の娘
子女：
成瀬正泰（長男）
* 松平尚泰室（のち広橋勝胤室）

成瀬正幸は、尾張藩の附家老として、また犬山藩の藩主として、その時代を力強く生きた人物です。彼の生涯は、江戸時代の武士の生き方、そして地域社会における藩主の役割を考える上で、重要な手がかりとなるでしょう。

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