成田市営大谷津球場

なごみの米屋ぴーちゃんフィールド大谷津球場（旧称：成田市営大谷津球場）

千葉県成田市の大谷津運動公園内に設けられたこの野球場は、成田市が所有・管理する公共施設です。かつては「成田市営大谷津球場」として広く知られ、地元の市民からは「成田市営球場」や単に「大谷津」といった通称で親しまれてきました。施設の外壁には「大谷津運動公園野球場」と表示されていることもあります。成田市には、この他にも中台運動公園や大栄地区にあるナスパ・スタジアム（大栄野球場）など、市が所有する複数の野球施設が存在しており、本球場はその一つに位置づけられます。球場のすぐ脇には、京成成田空港線の高架橋が通るという特徴的な景観を持っています。

沿革と主な利用

球場は1971年（昭和46年）に開場し、以来、主にアマチュア野球の公式戦会場として利用されてきました。特に、夏の全国高等学校野球選手権千葉大会や、中学校野球の試合会場として数多くの球児たちの舞台となっています。野球だけでなく、ソフトボール競技の会場としても重要な役割を果たしており、1973年の若潮国体、2005年の千葉きらめき総体、2010年のゆめ半島千葉国体といった大規模なスポーツイベントでも使用された実績があります。

プロ野球の公式戦が初めて開催されたのは2004年（平成16年）4月25日です。成田市制施行50周年を記念する事業として、イースタン・リーグ公式戦の読売ジャイアンツ対千葉ロッテマリーンズ戦（巨人主催）が行われました。その後、2008年（平成20年）7月30日にも、同様のカード（今度は千葉ロッテ主催）が開催されています。これらの試合では、ホームチームである千葉ロッテマリーンズが本拠地の浦和球場と同様に、三塁側ベンチを使用するという点が特徴的でした。

長期閉鎖と再開

北千葉道路の整備事業に伴い、球場は2014年（平成26年）10月1日から長期にわたり閉鎖されました。この閉鎖期間は2020年（令和2年）3月19日まで約5年半に及びました。その間、夏の高校野球選手権千葉大会（2015年〜2019年）では、この球場を使用することができず、代替会場として大栄野球場が利用されました。2020年からは使用が再開されましたが、新型コロナウイルスの影響で同年の全国選手権大会が中止となり、千葉県独自の代替大会「2020 夏季千葉県高等学校野球大会」が開催されました。この大会では、成田市を含む香取・東総地域（第6地区）の地区トーナメント会場として、大谷津球場と大栄野球場が共に使用されました。

名称変更：ネーミングライツ導入

2024年（令和6年）10月1日より、地元成田市で羊羹などの和菓子製造販売で知られる「米屋（なごみの米屋）」が、大谷津運動公園全体のネーミングライツを取得しました。これにより、公園の正式名称が5年間の契約期間中は「なごみの米屋ぴーちゃんフィールド」となり、園内にある本球場も「なごみの米屋ぴーちゃんフィールド大谷津球場」と名称が変更されました。なお、「ぴーちゃん」は、なごみの米屋の代表的な商品の一つである「ぴーなっつ最中」のマスコットキャラクターです。

施設概要

球場は成田市押畑952番地3号地に位置しています。グラウンド規模は、両翼が92メートル、中堅が120メートルです。スコアボードはパネル式を採用しており、バックスクリーン側に得点表示板、右中間側（バックスクリーン右側）にはメンバー表が表示されますが、指名打者（DH）制には対応していません。かつては照明設備が6基設置されていましたが、老朽化に伴い撤去されており、現在は夜間照明は利用できません。観客収容人員は約12,000人で、外野席は芝生席となっています。ダッグアウトは、本塁側から見て三塁側がホームチーム用、一塁側がビジターチーム用として配置されています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR成田駅西口から千葉交通バスに乗車するのが便利です。「竜角寺台車庫」「成田病院」「大谷津球場」「房総のむら」行きのいずれかのバスに乗り、「大谷津球場前」停留所で下車します（「房総のむら」行きは臨時運行の場合が多いです）。高校野球の県大会やイースタン・リーグ公式戦などが開催される際には、JR成田駅から球場までの臨時直行バスが運行されることもあります。

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