成田直衛

成田直衛

成田直衛（なりた なおえ）は、嘉永元年（1848年）に生まれ、大正7年（1918年）に没した、明治時代の代議士であり、秋田県会初代議長を務めた人物です。彼は秋田県の発展に大きく貢献し、その功績は今もなお称えられています。

生涯

成田直衛は、出羽国秋田郡鷹巣村（現在の北秋田市）で、成田良左衛門の次男として生まれました。幼少期には、久保田町（現在の秋田市）の医師である青木泰順の養子となりますが、後に実家に戻り家督を継ぎます。17歳の時には、久保田町の根岸靱負の門下に入り、文学や弓馬、刀剣の術を学びました。戊辰戦争では、秋田藩郷士として扇田で南部藩の兵士と戦い、その功績により藩主から刀を授与されています。

明治維新後、成田直衛は福澤諭吉の門を叩き、洋学を学びました。当時26歳であった彼は、向学心に燃え、年齢を気にせず若い学生たちと共に学問に励んだと述懐しています。その後、法制学者である細川潤次郎の門下生となり、政治経済学を修めました。

帰郷後、成田直衛は戸長や県職員を歴任し、大牧場を経営するなど実業家としても手腕を発揮します。明治12年（1879年）には、32歳という若さで第1回県会議員に当選し、初代議長に選出されました。彼は議長として、鷹巣村への郡役所、県立農林学校、奥羽線の駅の誘致に尽力し、地域の発展に大きく貢献しました。また、明治14年（1881年）には、天皇の東北御巡幸を請願し、自邸を御昼行在所として提供しています。

その後、成田直衛は衆議院議員に4回当選し、中央政界でも活躍しました。秋田鉱山専門学校の誘致や、雄物川改修、船川線敷設運動、県育英会創設など、秋田県の発展に大きく貢献しました。大正7年（1918年）、71歳でその生涯を閉じました。

功績

成田直衛の功績は多岐にわたりますが、特に以下の点が挙げられます。

鷹巣村の発展：郡役所、県立農林学校、奥羽線の駅の誘致により、鷹巣村の経済発展と文化の向上に貢献しました。
秋田県の教育振興：秋田鉱山専門学校の誘致や県育英会創設により、秋田県の教育水準の向上に貢献しました。
* インフラ整備：雄物川改修や船川線敷設運動により、秋田県の交通網の整備と災害対策に貢献しました。

顕彰

昭和55年（1980年）には、鷹巣地方史研究会をはじめとする有志によって、米代児童公園に成田直衛の胸像が建立されました。これは、彼の功績を後世に伝え、地域への愛着を育むことを目的としたものです。

成田直衛は、明治時代の秋田県において、政治家、実業家として多大な貢献を果たした人物です。彼の功績は、現在も秋田県民に深く記憶され、語り継がれています。

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