成田賢

成田賢：音楽の軌跡

1945年、満州国大連で生まれた成田賢は、幼少期を満州、博多、札幌と転々とし、音楽の道へと進む転機を掴みます。札幌北高校時代からバンド活動を始め、ジャズ喫茶での歌唱が大阪のバンドからの誘いを受け、歌手としてのキャリアをスタートさせました。

関西では「成田賢一」の芸名でバンド「ケーパーズ」に所属し、ライブハウスでの演奏や吉本新喜劇への出演など、多様な活動で経験を積みました。その後、東京のバンド「ダークホース」を経て、札幌で石間秀樹と共に「ザ・ジャローズ」を結成。1966年には石間と共に上京し、芸名を「成田ライオン」に変更。「ジ・アウトロウズ」を結成、後に「ザ・ビーバーズ」と改名し、キングレコードよりメジャーデビューを果たします。

ザ・ビーバーズではリードボーカルとハーモニカを担当、1969年の解散まで活躍しました。解散後も、平井正之と共に「エモーション」を結成しますが、過労による肺結核で長期入院を経験します。入院中に山内テツからの誘いを受け、退院後はセッションアルバム『フレンズ』に参加。

1971年には、ミッキー・カーチスのプロデュースで初のソロアルバム『眠りからさめて』を発表。シンガーソングライターとして活動を開始し、同時にCMソングにも進出しました。東ハト『キャラメルコーン』のCMソングを皮切りに、230曲以上のCMソングを手掛けます。

1979年には、日本コロムビアからオファーを受け、テレビアニメ『サイボーグ009』のオープニングテーマ「誰がために」を担当。翌年には特撮テレビドラマ『電子戦隊デンジマン』の主題歌を担当するなど、数々のテレビ主題歌で人気を獲得しました。しかし、オートバイ事故による後遺症のため、1981年に歌手活動を引退します。

長らく表舞台から遠ざかっていましたが、2007年に歌手活動を再開。『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の挿入歌で26年ぶりの新曲を発表しました。2012年には映画『009 RE:CYBORG』のために「誰がために」を再録。

成田賢は、ソロ活動だけでなく、数多くのアーティストとの共演や楽曲提供など、音楽活動の幅を広げました。山内テツ、石間秀樹、泉谷しげるなど、錚々たるメンバーとの共演作品にも参加。笠井紀美子や岡本信への楽曲提供も行っています。

CMソングでは、東ハト『キャラメルコーン』や赤福『赤福餅の唄』、第一生命、伊勢丹、三菱グループなどのイメージソングを担当。太平洋沿海フェリーのイメージソング「海へ出よう」も手掛けています。

2018年11月13日、73歳で肺炎のため逝去しました。数々の名曲を残し、日本の音楽シーンに大きな足跡を刻んだ成田賢の音楽は、今も多くの人々に愛され続けています。彼の音楽人生は、情熱と才能、そして困難を乗り越える不屈の精神を物語っています。

主な作品

ソロアルバム：『眠りからさめて』など
参加アルバム：『フレンズ』、『TETSU』、『ONE DAY』など
テレビアニメ主題歌：『サイボーグ009』「誰がために」、他
特撮テレビドラマ主題歌：『電子戦隊デンジマン』主題歌、他
* CMソング：『キャラメルコーン』、他多数

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