成羽川

成羽川（なりわがわ）

成羽川は、高梁川水系の最大の支流であり、広島県北東部から岡山県西部を流れる一級河川です。広島県域では東城川とも呼ばれています。

地理

源流は広島県と鳥取県の境界に位置する道後山（標高1,269m）の広島県庄原市東城町小奴可にあります。そこから南へ流れ、東城の市街地を縦断した後、東へと向きを変えます。吉備高原（神石高原）から岡山県側の高梁市備中町にかけては、侵食によって深く美しい渓谷美が形成されています。その後、高梁市の中心部で高梁川に合流します。

成羽川の全長は77.7kmで、そのうち広島県内が45.2km、岡山県内が32.5kmです。流域面積は929.5km2に及び、高梁川水系全体の流域面積の約35%を占めています。

発電所

成羽川は、岡山県内で最初に水力発電所が設置された川としても知られています。1902年（明治35年）10月9日には、吹屋銅山への送電を目的として建設された笠神発電所が運転を開始しました（現在は田原ダムの底に沈んでいます）。その後も、井川発電所、帝釈川発電所、成羽川発電所が次々と建設されました。

1968年には、岡山県南への電力と工業用水の需要拡大に対応するため、成羽川発電所が廃止され、代わりに日本最大規模の重力式アーチダムである新成羽川ダムを根幹施設とした中国電力新成羽川発電所など3ヶ所のダム・発電所が完成しました。これに伴い、備中湖という人造湖も形成されました。

流域の自治体

成羽川の流域には、以下の自治体が含まれます。

広島県
庄原市
神石郡神石高原町（帝釈川）
岡山県
高梁市
新見市（支流のみ）

利水施設

成羽川には、以下の主要な利水施設があります。

新成羽川ダム：岡山県高梁市備中町西油野/高梁市備中町平川に位置し、中国電力が所有および管理する岡山県最大のダムです。
田原ダム：岡山県高梁市備中町東油野/高梁市備中町平川に位置します。
* 黒鳥ダム：岡山県高梁市備中町長屋に位置します。

成羽川は、豊かな自然と人々の生活を支える重要な河川であり、その流域は多様な魅力に満ちています。

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