成聖者

成聖者（せいせいしゃ）とは

成聖者（ロシア語: святитель）とは、正教会において聖人の称号の一つであり、特に主教（総主教、府主教、大主教を含む）の位にあった聖人に与えられます。これらの聖人たちは、その信仰生活と神への奉仕において卓越した模範を示し、今日に至るまで正教会の信徒たちに記憶され、崇敬されています。

著名な成聖者たち

数多くの成聖者がいますが、特に著名な聖人たちを以下に紹介します。

三成聖者：正教会における最も重要な成聖者の一群です。
聖大ワシリイ（ヴァシリオス）：4世紀の神学者で、正教会の典礼に大きな影響を与えました。
神学者グリゴリイ（グリゴリオス）：三位一体論の発展に貢献した神学者です。
金口イオアン（イオアンニス・フリソストモス）：その説教の卓越さから「金口」の称号で呼ばれる聖人です。
ミラ・リキヤの大主教奇蹟者聖ニコライ：人々に親しまれる聖人で、サンタクロースの起源の一つという説があります。その慈悲深い行いで知られています。
クリトのアンドレイ: 7世紀の聖人で、懺悔の祈りである「クリトの聖アンドレイの大カノン」を作成しました。
セルビアの大主教聖サワ: 13世紀のセルビアの聖人で、セルビア正教会を設立し、初代首座主教を務めました。ヒランダル修道院の創設にも関わっています。
聖グリゴリイ・パラマ：14世紀の神学者で、静寂主義（ヘシカズム）を体系化しました。神との合一を目指す神秘的な祈りの実践を理論付けました。
モスクワの府主教奇蹟者聖フィリップ：16世紀のモスクワの府主教で、雷帝イヴァン4世の悪政を諫めたことにより殉教しました。
ザドンスクの奇蹟者主教聖ティーホン：18世紀のロシアの聖人で、その信仰生活と奇跡によって人々に知られています。
モスクワの府主教聖フィラレト：19世紀のモスクワ府主教で、その神学的著作と教育活動で知られています。
アラスカのインノケンティ：19世紀にアラスカやカムチャツカ半島で伝道活動を行った聖人です。アレウト語への翻訳を通して、現地の文化にも貢献しました。
イグナティ・ブリャンチャニノフ: 19世紀の聖人で、霊的な著作で知られています。
隠遁者フェオファン: 19世紀の聖人で、霊的な著作と隠遁生活で知られています。
亜使徒日本の大主教聖ニコライ：19世紀に日本に正教を伝道した聖人です。日本正教会の創始者として知られ、日本語への聖書翻訳にも尽力しました。
エギナのネクタリオス：20世紀のギリシャの聖人で、その多才さと現代における奇跡によって多くの信徒に崇敬されています。

関連用語

成聖：正教会における聖化のプロセス。
亜使徒：使徒と同等の働きをした聖人。
神品致命者：信仰のために殉教した聖職者。
克肖者: 迫害に耐え信仰を証しした聖人。

外部リンク

* ミラ・リキヤの大主教奇蹟者聖ニコライを記憶する祈祷文 - ウェイバックマシン（2017年2月27日アーカイブ分）

これらの成聖者たちの生涯と業績は、正教会の信仰の根幹を成しており、現代の信徒たちにとっても重要な模範となっています。

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