成都府

成都府について

成都府は、中国の歴史において重要な役割を果たした行政区分の一つです。唐代から民国初年にかけて、現在の四川省成都市を中心とする地域に設置されていました。その変遷は、中国の歴史を色濃く反映しています。

唐代の成立と発展

618年、唐王朝は隋の時代の蜀郡を益州と改めました。その後、742年には益州は蜀郡と再び名称を変えましたが、757年に蜀郡は成都府へと昇格しました。この時、剣南西川節度使が置かれ、成都府は剣南道に属し、成都、華陽、新都など10の県を管轄しました。これにより、成都府は地域における政治・軍事の中心地としての地位を確立しました。

宋代の変遷

北宋時代に入ると、成都府の名称や地位は何度か変動しました。981年に益州に降格された後、988年には再び成都府となり、994年には再び益州に降格、剣南西川節度も廃止されました。その後、1060年に再び成都府となります。この間、管轄する県は10から9県に変化しました。これらの変遷は、当時の政治情勢や行政改革の影響を示しています。

元代の拡大

元代になると、成都府は成都路と改称され、四川等処行中書省に属しました。管轄範囲は大幅に拡大し、録事司、9つの県、7つの州とその州に属する11の県を統括しました。この時代には、成都府はより広範囲の地域を管轄するようになり、その重要性はさらに増しました。

明代の再編と清代の安定

明代には、成都路は再び成都府と改められ、四川省に属しました。管轄範囲はさらに広がり、直属の16県に加え、6つの州とその州に属する25の県を統括しました。清代に入ると、成都府は四川省に属し、管轄地域は安定しました。この時期には、成都府は地域における行政・経済の中心としての役割を維持しました。

中華民国による廃止

1913年、中華民国が成立すると、成都府はその歴史に幕を閉じました。これにより、長きにわたり地域を統括してきた行政区分としての成都府は、新たな時代の幕開けとともにその役割を終えたのです。

まとめ

成都府は、唐代から民国初年まで、その名称や管轄範囲を変えながらも、常に地域の中心として機能し続けました。その変遷は、中国の歴史における政治・行政の変化を映し出す鏡と言えるでしょう。成都府の歴史を辿ることは、中国の地方行政制度の変遷を理解する上で非常に重要です。また、成都府が担った役割は、今日の成都市の発展にも大きな影響を与えていると考えられます。

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