成龍拳

映画『成龍拳』の詳細

映画『成龍拳』（原題：剣・花・煙雨江南、英題：To Kill With Intrigue）は、1977年に公開されたジャッキー・チェン主演の香港映画です。この作品は、ロー・ウェイが監督し、社内での人選によりシュー・フォン（徐楓）がヒロインに選ばれました。原作は著名な作家古龍の武侠小説であり、脚本も古龍自身が手掛けています。

作品の概要

『成龍拳』は、ジャッキー・チェンが演じるシャオライを中心に物語が進行します。彼は江南地方の総督の息子で、賊団「花蜂党」から村を守るために戦います。特筆すべきは、最後の格闘シーンが冬の韓国で撮影されたもので、ジャッキー自身が監督を務めたという後日談があります。ジャッキーは著書『I AM JACKIE CHAN』の中で、寒さによって撮影が難航したことや、物語が非常に複雑であったことを振り返っています。

劇中には「成龍拳」と呼ばれる拳法が登場しますが、これは日本向けにアレンジされたもので、本来は「血酒拳」とされていました。この「成龍」という名前は、ジャッキー自身の中国名でもあり、彼のアイデンティティを反映しています。

日本では1984年に公開され、当初は1983年12月の公開が予定されていましたが、他作品との関係で延期されました。

ストーリーの流れ

物語は、中国の江南地方を舞台に展開されます。主人公のシャオライ（ジャッキー・チェン）は、盗賊団の襲撃を予知し、勇敢に立ち向かおうとします。彼の父である総督が殺され、シャオライは復讐心に燃えます。事件の首謀者である女盗賊ティン・チャンイェンに遭遇したシャオライは、彼女の頬の傷が自らの父からのものであることに気づき、葛藤を抱えます。この出会いが物語の後半に大きな影響を与えることになります。

キャストと制作

主要キャストには、ジャッキー・チェンがシャオライ、シュー・フォンがティン・チャンイェン、ジュエ・リンロンがチェンチェン役を務めています。監督についてはロー・ウェイをはじめとする製作陣が支え、武術指導にはジャッキー・チェン自身も参加しています。

音楽面では、日本公開時に北原拓による主題歌が用意され、日本独自のサウンドトラックも制作されました。音楽には当時無名だった久石譲や甲斐正人も関与しており、特別な仕上がりとなりましたが、現在では過去のバージョンは廃盤となっています。

結論

『成龍拳』は、武侠映画としてアクションの迫力とストーリー展開が見事に融合した作品です。ジャッキー・チェンの代表作として、今も多くのファンに愛され続けています。作品の中で描かれる人間ドラマや戦いの背後にある感情が、視聴者に深い印象を与えています。

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