戦場ロマン・シリーズ

戦場ロマン・シリーズ

概要

新谷かおるによる「戦場ロマン・シリーズ」は、第二次世界大戦をテーマにした戦記漫画です。このシリーズは、1977年から1982年まで『月刊プレイコミック』で連載されました。作品はシリアスな戦場のロマンや悲哀を描写し、時にはコミカルな要素も交えています。イラストやストーリーは、彼の師匠である松本零士の影響を受けつつ、独自のスタイルへと発展してきました。

新谷は松本のプロダクション「零時社」でアシスタントとしての経験を持ち、その後、描きためた原稿を持って秋田書店に作品を持ち込みました。交渉においては、「原稿を持ち帰ったら1週間以内に返答が無ければ他社に持ち込む」と半ば脅迫する形で連載を勝ち取ったという逸話が残っています。

出版歴

「戦場ロマン・シリーズ」は、1979年から1982年にかけて全8巻の単行本として刊行され、その後1988年には豪華版、1996年には文庫版もリリースされました。さらに、2015年には戦後70周年記念企画として、コンビニ用のムック版が発行されています。

作品内容

シリーズは、各巻に分かれた短編構成で、様々な戦闘機パイロットや兵士を主人公にした物語が描かれています。以下にいくつかの巻の情報やストーリーの概要を紹介します。

第1巻「凍結戦線」

この巻では、冬のアルプスでの任務を担ったサムとベンスンの物語が描かれます。墜落した輸送機から取り戻すべき書類が、実は大隊長宛のラブレターであったという意外性がポイントです。

第2巻「戦略輸送333」

アメリカ陸軍のパイロットたちが、負傷したレジスタンスに武器を届けるための任務に挑みます。予想外の戦闘に巻き込まれる様子が描かれています。

第3巻「幽霊戦闘機」

バトル・オブ・ブリテンを舞台にした物語で、日本の零戦が登場します。航続距離を誇る零戦と、技術者との間の議論が展開されます。

第4巻「暗黒戦士」

アメリカの夜間爆撃機P-61とドイツの新型機He 219の激闘が描かれています。主人公が巧妙な戦術を駆使し、戦闘に挑む姿が印象的です。

その他のテーマ

このシリーズでは、戦争の無情さや人間ドラマ、人間の葛藤が通底しています。それぞれの短編ストーリーは、戦争を通じた友情や裏切り、生死の狭間での選択を問うています。

音楽関連

1982年には、作品にまつわるイメージソングやドラマを収録したLPレコードやカセットも発売されました。

まとめ

「戦場ロマン・シリーズ」は、日本の戦記漫画の中でも特に評価が高く、戦争というテーマを深く掘り下げた作品です。その独自のスタイルとストーリーテリングは、読者に深い感銘を与え続けています。

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