戦慄!プルトニウム人間

『戦慄!プルトニウム人間』

概要

『戦慄!プルトニウム人間』は、1957年に公開されたアメリカのSF映画で、B級映画の名手バート・I・ゴードンが製作、監督、脚本、特殊効果を手掛けています。この映画は、核爆発の影響を受けた人間が巨大化していくという独特なテーマを持ち、アメリカ国立映画協会（AIP）によって配給されました。

ストーリー

物語は、ネバダ砂漠でのプルトニウム爆弾の実験中に始まります。中佐のマニングは、不時着したセスナ機を救助しようとしたところ、核爆発に巻き込まれてしまいます。彼は全身に大火傷を負い、膨大な放射線を浴びた結果、最初は助かる見込みがないと考えられました。しかし、驚くべきことに、彼の身体は新しい皮膚を再生し始め、回復の兆しを見せます。しかし、ある日彼は病院から忽然と姿を消してしまいます。

婚約者のキャロルは、マニングがどうしたのか心配します。彼女は彼が隔離されている陸軍基地を探し出し、そこに驚愕の姿があることに気づきます。マニングは巨大化しており、健康状態は悪化の一途をたどっていました。彼の成長は心臓に負担をかけており、科学者たちは彼を元の姿に戻す方法を必死に模索します。キャロルも力添えしようと努力しますが、マニングは自分の異常な姿に耐えられず、精神的に崩壊していきます。

最終的に彼は逃げ出し、ラスベガスの街に姿を現します。この巨大な存在がもたらす混乱と恐怖は、観客に深い印象を残します。

制作陣とキャスト

本作は特にB級映画製作において独自の存在感を放つバート・I・ゴードンの代表作です。彼は監督だけでなく、製作や脚本、特殊効果も担当しています。キャストには、グレン・ランガンがマニング中佐を演じ、その婚約者キャロル役にはキャシー・ダウンズが起用されています。他にも、ウィリアム・ハドソン、ジェームズ・シーイ、ラリー・ソーなど、個性的なキャストが揃っています。映像に関しては、後に『タワーリング・インフェルノ』でアカデミー撮影賞を獲得したジョゼフ・バイロックが担当しました。

映画は公開直後から様々な反響を呼び、その後1958年に続編『巨人獣』が製作されました。ただし、マニング中佐役のグレン・ランガンは続編には出演しないという変化がありました。また、日本では長い間劇場公開されなかったものの、1994年にようやく正規のリリースが果たされました。

まとめ

『戦慄!プルトニウム人間』は、核の恐怖と個人の精神的葛藤を描く一作です。巨大化するマニングの運命は、観客に深く考えさせるものがあります。この映画を通じて、科学技術が引き起こす可能性のある悲劇や人間の脆さについて新たな視点を提供しており、今なお多くの人々に記憶されています。

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