戦車第2師団 (日本軍)

戦車第2師団

戦車第2師団は、大日本帝国陸軍が保有した機甲師団の一つです。当初は4個の戦車連隊、1個の機動歩兵連隊、そして1個の機動砲兵連隊などを主要な構成部隊としていました。1942年（昭和17年）6月、第2戦車団を基幹として満州の勃利で編成され、機甲軍に所属しました。

沿革

戦車第2師団は、その短い活動期間の中で、大きく2つの戦線で戦闘を経験しています。

1942年（昭和17年）6月: 第2戦車団を基幹として、満州勃利にて編成され、機甲軍に属しました。
1944年（昭和19年）2月: 所属していた戦車第11連隊は、第5方面軍第91師団に編入され、北千島へと移動。占守島の戦いではソ連軍と交戦しました。
1944年（昭和19年）7月: 師団主力は第14方面軍に編入され、フィリピンのルソン島へ移動。この地で壊滅的な損害を受けました。

師団概要

師団長は以下の通りです。

岡田資 中将: 1942年9月20日 - 1943年12月27日
岩仲義治 中将: 1943年12月27日 - 終戦

参謀長は以下の通りです。

森巌 大佐: 1942年7月1日 - 1945年4月19日(戦死)
新藤多喜男 大佐: 1945年4月20日 - 終戦


機甲軍創設時の戦車第2師団の所属部隊は下記の通りです。

戦車第3旅団
戦車第6連隊
戦車第7連隊
戦車第4旅団
戦車第10連隊
戦車第11連隊：後に第5方面軍第91師団へ転属し、北千島へ移動。
機動歩兵第2連隊
機動砲兵第2連隊
戦車第2師団速射砲隊
戦車第2師団捜索隊：後に第27戦車連隊へ改編され、第10方面軍第32軍第24師団に転属し、沖縄へ移動。
戦車第2師団防空隊：後に第6方面軍第20軍に転属。
戦車第2師団工兵隊:1945年1月リンガエン湾に上陸した米軍に対し、在留邦人保護のため師団主力と共に敵を食い止めた。その後3月にはサラクサク峠で戦い、5月に山中で全滅。茂林寺に戦没者を祭った碑がある。
戦車第2師団整備隊
戦車第2師団輜重隊


最終所属部隊は以下の通りです。

戦車第3旅団
戦車第6連隊
戦車第7連隊
戦車第10連隊
機動歩兵第2連隊
機動砲兵第2連隊
戦車第2師団速射砲隊
戦車第2師団工兵隊
戦車第2師団整備隊
戦車第2師団輜重隊
患者収容隊

特記事項

戦車第2師団の各部隊は、太平洋戦争の戦局悪化に伴い、各地へ転戦を余儀なくされました。戦車第11連隊は北千島へ派遣され、戦車第2師団捜索隊は沖縄戦に参加するなど、各部隊が別々の戦場で戦いました。特にルソン島に派遣された主力部隊は、アメリカ軍との激戦により壊滅的な損害を受けました。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧

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