戯画 (ブランド)

アダルトゲームブランド『戯画』：29年の歴史と功績

株式会社エンターグラムがかつて展開していたアダルトゲームブランド『戯画』は、鳥獣戯画の兎をモチーフにしたロゴで知られていました。1994年の設立から2023年3月までの約29年間、数多くの作品を生み出し、アダルトゲーム業界に大きな影響を与えました。本稿では、その歴史と功績を詳細に解説します。

多作ぶりとパートナーブランド

『戯画』は複数の制作ラインを同時進行させることで、年間1～2本のリリースが一般的な業界において非常に高い生産性を誇っていました。『ねこねこソフト』や『オーガスト』、『HOOKSOFT』、『みるくそふと』といったパートナーブランドとの連携も活発に行い、多様なジャンルの作品を世に送り出しました。また、ロープライスブランド『プレカノ』も同時に展開し、幅広い層のユーザーを獲得することに成功しました。

ゲームシステムの進化

初期の作品ではゲームシステムに課題も見られましたが、『ハーレムブレイド〜The Greatest of All Time.〜』を機にスタッフの大幅な刷新が行われ、以降の作品ではシステムが大きく改良されました。特に、『パルフェ〜Chocolat second brew〜』では大幅な進化を遂げ、その後の作品ではこのシステムをベースに更なる機能追加が重ねられました。これは、『戯画』が常にユーザーのニーズに応え、ゲーム体験の向上に努めていたことを示す好例と言えるでしょう。

著作権ガイドラインとブランド終了

2019年9月27日には、『戯画』と『プレカノ』ブランドの製品版ゲームに関する著作権ガイドラインが公開されました。これは、知的財産権の保護を重視する姿勢を示すものでした。しかし、2023年3月31日をもって、『戯画』と『プレカノ』ブランドは開発・販売・サポートを終了。長きにわたる歴史に幕を閉じました。各作品の公式サイトも閉鎖され、多くのファンに惜しまれつつも、約29年の歴史に幕を閉じました。

代表的な作品シリーズ

『戯画』は多くのシリーズ作品を展開しました。代表的なものとして以下が挙げられます。

『ヴァリアブル・ジオ』シリーズ: 初期を代表するシリーズで、長きに渡って作品が展開されました。
『BALDR』シリーズ: 『戯画』を代表する人気シリーズの一つで、多様な作品が展開され、高い人気を誇りました。シリーズ最終作品である『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE』は、これまでの作品に加え新作も収録された特別なBOXとして発売されました。
『DUEL SAVIOR』シリーズ: 独自のACTシステムを採用したシリーズで、『マテリアルブレイブ』シリーズへと進化を遂げました。
『ショコラ』シリーズ: 『ねこにゃん&丸戸史明』とのコラボレーション作品を含む、人気シリーズ。複数の作品が関連性を持って展開され、世界観の広がりを見せました。
『ハーレムブレイド』シリーズ: シリーズを通して高い人気を誇る作品群です。
『For Season』シリーズ: 季節をテーマにしたシリーズ作品です。
『キス』シリーズ: 多数の作品からなるシリーズで、それぞれ異なる魅力を持つ作品が展開されました。
『ジンキ』シリーズ: シリーズ原作者である綱島志朗氏が原画を担当した作品群です。
* 『閃鋼のクラリアス』シリーズ: 比較的新しいシリーズながら、人気を集めました。

これらのシリーズ以外にも、『戯画』は多くの単発タイトルを発表し、常に新しい試みに挑戦し続けてきました。

まとめ

『戯画』は、長年にわたり多くのユーザーを魅了してきた、記憶に残るアダルトゲームブランドでした。その多作ぶり、ゲームシステムの進化、そしてユーザーとの交流は、後世に多くの影響を与え続けるでしょう。29年間の歴史に幕を閉じたものの、その功績は決して色褪せることはありません。多くのファンに惜しまれつつも、その歴史は長く語り継がれることでしょう。

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