ねこねこソフト

ねこねこソフト：アダルトゲーム界の異端児、その軌跡

ねこねこソフトは、株式会社ソルジャーブルーが展開していたアダルトゲームブランドです。同人サークル「ステージなな」を母体として設立され、その独特な世界観と魅力的なキャラクターで、業界内でも異彩を放っていました。

一時活動停止と再開

2006年5月26日に発売された『Scarlett』を最後に、同年10月1日をもって活動を停止しました。しかし、ソルジャーブルー自体は清算されておらず、木緒なち氏を中心に新規ブランド「コットンソフト」を立ち上げ、活動を継続。ねこねこソフトの中心人物であった片岡とも氏は「コットンソフト」には参加しませんでした。

約1年9ヶ月のブランクを経て、2008年7月16日に公式サイトで活動再開を発表。「作りたいモノがあり、作れる状況にあり、PCプラットが最も似合うと思える」時に、ねこねこソフトとして制作を行うという声明が出されました。

再開後の展開と新ブランド「こねこソフト」

2008年11月30日からは過去作品の一部ソフトウェアと『ねこサウンドコレクション』の自社通販を開始。2009年6月30日にはオフィシャルダウンロードストアを開設し、過去作品のダウンロード販売も開始しました。これらのソフトウェアはWindows Vistaにも対応しています。

活動再開後には、『そらいろ』（2009年）、『White 〜blanche comme la lune〜』（2011年）といった作品をリリース。2014年4月には、ねこねこソフト15周年を記念して、萌えエロに特化した新ブランド「こねこソフト」を設立し、2015年には15周年記念作品『すみれ』を発売しました。

海外展開と共同開発

2018年には、中国の四川省・成都市に拠点を置く「Nekoday」が発足。2020年1月には、日中合同制作による新作AVG『Christmas Tina ‐泡沫冬景‐』がNekodayブランドで発売され、中国で50万本を売り上げる大ヒットを記録しました。2021年には、YAMAYURI GAMESとの共同開発作品『神の国の魔法使い』を発表するなど、グローバルな展開も見せています。

特徴的な要素

ぽんこつ

ねこねこソフト作品に頻出するキャラクター属性の一つ。「おっちょこちょい」や「天然ボケ」といったキャラクターが「ぽんこつ」と呼ばれ、各作品に登場します。

宮原和泉（White 〜セツナサのカケラ〜）
狭霧（銀色）
早坂日和（みずいろ）
チュチュ（朱 -Aka-）
なつみ（120円の夏）
近衛七海（ラムネ）
椎名希未（サナララ）
アメリア・ウィークス（Scarlett）
* 友坂つばめ（そらいろ）

キャラクターによって「ぽんこつ度」は異なり、公式サイトで無料配布された『ぷちファンディスクみたいなの』には「ぽんこつカウンター 2006年版」が収録されています。

みずいろシステム

『みずいろ』以降の作品で採用されたシステムで、過去パートでの行動が現代パートに影響を与えるというもの。ゲームの展開に深みを与える要素として、多くのファンに支持されました。

おかえしCD

ファンクラブ「しょんぼりファンクラブ」会員に不定期で送られていたCD。完全無料である点が大きな特徴で、ファンとの交流を深める役割を果たしました。

コミックマーケット出展と垂れ幕

コミックマーケットには第70回まで企業ブースに出展。ブース名は「ねーこねこソフト」や「ねこねこソフー」と誤表記されることもありました。また、ソフマップなんばザウルス1号店では、2002年から2006年の間、不定期でねこねこソフトの垂れ幕が掲示され、ファンを楽しませました。

ねこねこソフトは、その独創的な作品とユニークな活動で、アダルトゲーム業界に確かな足跡を残しました。活動再開後の今後の展開にも、多くのファンが期待を寄せています。

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