戸籍整備法

戸籍整備法について

戸籍整備法（1953年立法第86号）は、沖縄戦によって焼失した戸籍を再整備するために、立法院が制定した法律です。沖縄戦後、臨時に作成された戸籍は不備が多く、身分関係を正確に証明するには不十分でした。また、琉球政府の設立に伴い、「琉球住民」という新たな概念が登場し、その対象者を明確にする必要に迫られました。

法の施行と戸籍の再製

1954年3月1日、戸籍整備法が施行され、同年5月31日までの期間、対象となる住民は市町村に申告する義務を負いました。これにより、戸籍の再製が行われました。各市町村には「戸籍調査委員会」が設置され、戸籍の調査を担当しました。委員会は、日本本土や海外の諸団体にも戸籍関係資料の提供を要請し、広範囲にわたる情報収集を実施しました。

戸籍整備事業の継続

戸籍整備事業は、1962年9月25日まで続けられました。この長期間にわたる事業を通じて、沖縄の戸籍制度は、より正確で信頼性の高いものへと改善されました。

本籍と年月日の表記に関する特例

琉球政府およびその管轄下の市町村が作成する公文書では、原則として西暦が使用され、「昭和」などの元号表記や住所としての「沖縄県」の使用は避けられていました。しかし、戸籍については例外として、本籍には「沖縄県」が、そして年月日は「昭和」などの元号が用いられていました。これは、戸籍制度が日本の伝統的な様式を維持していたことを示しています。

関連事項

この法律を理解する上で、以下の事項も参照すると良いでしょう。

• - 戸籍：個人の身分関係を公証するための重要な記録です。
• - アメリカ合衆国による沖縄統治：沖縄がアメリカの統治下にあった時期の制度や法律を理解する必要があります。
• - 臨時戸籍：沖縄戦後に臨時に作成された戸籍です。
• - 琉球政府：アメリカ統治下で設立された沖縄の地方政府です。
• - 本籍：戸籍が置かれている場所を指します。
• - 元号／西暦：日付を表す際の異なる暦法です。

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