『扇物語』
西尾維新による人気
小説シリーズ
〈物語〉シリーズの26作目として刊行された『扇物語』は、前作『
余物語』に続くモンスターシーズンの第4弾です。本作では、大学生となった主人公・阿良々木暦を中心に、新たな怪異事件が展開します。イラストは
VOFANが担当し、独特な世界観を彩ります。
概要
『扇物語』は、現代社会に潜む怪異を描いた
〈物語〉シリーズの復活作であり、『
終物語』で完結したシリーズの新たな展開として注目を集めました。物語は、大学生になった阿良々木暦が、忍野扇の助言を受けながら怪異に対処する「おうぎライト」と、千石撫子が専門家としての修行に励む「おうぎフライト」の2つの物語で構成されています。
「おうぎライト」では、暦が大学で知り合った友人・食飼命日子から、彼氏が理由もなく謝罪を繰り返すという奇妙な相談を受けます。一方、暦自身も恋人の戦場ヶ原ひたぎから突然別れ話を切り出され、混乱する中で、怪異の専門家である忍野扇に助けを求めます。扇は、この現象の背後に潜む妖魔令(あやまれい)と呼ばれる存在について語り、事件の解決に協力します。
「おうぎフライト」では、千石撫子が、専門家の元締めである臥煙伊豆湖の指示により、過去に自身を呪った同級生との面会を果たします。これは、撫子が専門家としての修行を積むための一環であり、物語は新たな展開を見せます。また、パッケージイラストには、学ラン姿の忍野扇が描かれており、物語の内容と合わせてファンを惹きつけます。
あらすじ
おうぎライト
大学生になった阿良々木暦は、大学で唯一できた友人である食飼命日子から、恋人が理由もなく謝罪を繰り返すという不可解な相談を受けます。さらに、暦自身も恋人の戦場ヶ原ひたぎから謝罪とともに別れ話を切り出され、困惑します。一連の出来事に怪異の影を感じた暦は、忍野扇に助言を求めるため、故郷に帰ります。扇の協力を得て、事件の解決に挑みます。
おうぎフライト
専門家の元締めである臥煙伊豆湖の指示により、千石撫子は専門家としての修行の一環として、かつて自身を呪った同級生である遠吠哭奈と砂城寸志のもとを訪れます。過去の因縁と向き合いながら、撫子は新たな任務に臨み、物語はクライマックスへと進みます。
登場人物
阿良々木 暦(あららぎ こよみ):本シリーズの主人公。元吸血鬼で、現在は大学生。ひょんなことから怪異に関わる事が多い。
忍野 扇(おしの おうぎ):怪異の専門家である忍野メメの姪。本作では、学ラン姿で登場。阿良々木暦の裏面。妖魔令(あやまれい)について知識を持つ。
食飼 命日子(はむかい めにこ):国立曲直瀬大学の一年生。阿良々木暦の友人。彼氏から謝罪を繰り返されている事に悩んでいる。
上洛 落葉(じょうらく おちば):阿良々木暦の高校の後輩。国立曲直瀬大学を志望している。
彼クン:食飼命日子の彼氏。謝罪を繰り返している。
戦場ヶ原 ひたぎ(せんじょうがはら ひたぎ):阿良々木暦の恋人。大学生になり、垢抜けた。
老倉 育(おいくら そだち):阿良々木暦の幼馴染。
忍野 忍(おしの しのぶ):元吸血鬼で、現在は幼女の姿。阿良々木暦の傍にいる。
神原 駿河(かんばる するが):阿良々木暦の後輩。忍野扇と行動を共にする。
八九寺 真宵(はちくじ まよい):北白蛇神社の新しい神様。臥煙伊豆湖から神様のトレーニングを受ける。
日傘 星雨(ひがさ ほしあめ):阿良々木暦の高校の後輩。ギャル化している。
千石 撫子(せんごく なでこ):元北白蛇神社の神様。現在は漫画家を目指す中学三年生。ベリーショートになっている。
斧乃木 余接(おののき よつぎ):死体から作り出された付喪神の童女。
貝木 泥舟(かいき でいしゅう):詐欺師の専門家。
遠吠 哭奈(とおぼえ なくな):千石撫子を呪った同級生。呪い返しにより身体中に穴があいている。
砂城 寸志(さじょう すんし):千石撫子を呪った同級生。
臥煙 伊豆湖(がえん いずこ):怪異の専門家の元締め。何でも知っている。
書籍情報
タイトル:扇物語
著者:
西尾維新
イラスト:
VOFAN
レーベル:
講談社BOX
発売日:2020年10月28日
ISBN:978-4-06-521158-8
Webアニメ
2024年7月より配信されるWebアニメ『
〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』にて、本作がアニメ化されます。
ABEMAほかにて配信予定。
外部リンク
講談社BOX:
西尾維新<物語シリーズ>公式サイト
『扇物語』は、物語シリーズのファンはもちろん、初めてシリーズに触れる読者も楽しめる作品です。大学生編に入り、新キャラクターも登場し、物語は新たな展開を迎えます。