手形法

手形法とは

手形法（てがたほう）とは、日本国内において約束手形および為替手形に関する法規を定めた法律です。この法律は、昭和7年7月15日に施行され、法令番号は昭和7年法律第20号として知られています。手形法は、金融取引における重要な基盤を提供するものであり、商業活動の円滑化に寄与しています。

制定の経緯

日本における手形に関する初めての法的枠組みは、フランス法を参考にした明治15年の太政官布告第57号「為替手形約束手形条例」に遡ります。その後、手形に関する規定は明治23年の旧商法第1編第12章や明治32年の商法第4編に引き継がれました。17世紀からは、各国で手形法や小切手法が整備されており、それぞれフランス法、ドイツ法、英米法に基づく違いが見られました。

1910年と1912年には、オランダの呼びかけによってハーグで手形法統一会議が開催され、為替手形と約束手形に関する条約が結ばれました。日本はこの会議に参加したものの、その条約に署名することはありませんでした。その後、1930年にはジュネーブで国際手形法統一会議が行われ、いくつかの重要な条約が成立しました。日本はこのに賛同し、昭和7年に手形法の成立に至ったのです。

手形法は、昭和9年1月1日から施行され、商法における古い手形の規定はこの法律の制定によって廃止されました。大陸法系の国々ではジュネーブ統一法が導入されましたが、イギリスは印紙法に関する条約のみを批准し、アメリカはオブザーバーとしての参加にとどまりました。結果として、異なる法体系が構築されることとなり、1971年には国連国際商取引法委員会によって国際統一規則の策定が決定されました。1988年には、国際為替手形および国際約束手形に関する条約が国連総会で採択されました。

法体系上の位置付け

日本法における有価証券は、民法と商法それぞれにおいて規定されており、2017年に改正された民法では有価証券に関する法規が第3編第7節に整理されました。手形法および小切手法は特別法として成り立っているため、これらの規定が適用される状況では、民法の一般規定に優先して適用されることになります。

構成

手形法は以下の構成を持っています。

1. 為替手形
- 第1章：振出および方式
- 第2章：裏書
- 第3章：引受
- 第4章：保証
- 第5章：満期
- 第6章：支払
- 第7章：引受拒絶または支払拒絶による遡求
- 第8章：参加
- 第9章：複本および謄本
- 第10章：変造
- 第11章：時効
- 第12章：通則

2. 約束手形
- 第2編：規定（第75条－第78条）

附則もあり、手形法の全体的な枠組みを形成しています。

関連項目

• - 小切手法
• - 手形交換所
• - 銀行

詳細情報については、外部リンクとして『手形法』 - コトバンクを参照してください。

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