手話通訳者全国統一試験

手話通訳者全国統一試験：全国共通の資格試験

手話通訳者全国統一試験は、社会福祉法人全国手話研修センターが毎年12月上旬に実施する民間資格試験です。この試験は、手話通訳者として必要な知識と技能を測ることを目的としており、全国的な手話通訳者のレベル向上に貢献しています。

試験の概要

全国手話研修センターが作成した問題を用い、各都道府県や政令指定都市などの聴覚障害者関連団体が試験を実施します。試験内容は筆記試験と実技試験（手話の要約、場面通訳）の2部構成となっており、合格者は「手話通訳者となる資格を有する者」として認められます。ただし、この資格は医師や弁護士のような業務独占資格ではないため、無資格者でも手話通訳の業務を行うことは可能です。

合格者は、各都道府県独自の通訳者試験に合格することで、その都道府県の認定手話通訳者となることができます。そのため、この統一試験に合格することで、合格した都道府県だけでなく、試験を採用している他の都道府県でも手話通訳者としての活動の道が開けます。ただし、全ての都道府県が当試験を採用しているわけではありません。

以前は、全国統一の手話通訳者のレベル認定試験は「手話通訳技能認定試験（手話通訳士試験）」のみでしたが、本試験の導入により、全国規模で統一されたレベル認定が可能になりました。

受験資格

試験を受験するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

手話通訳者養成課程修了者
手話通訳者養成課程修了者と同等の知識と技術を有する者

なお、手話通訳者養成課程を受講するには、市町村が実施する手話奉仕員養成講座の修了が一般的に必要となります。

試験実施と合格率

試験日は毎年12月上旬で、具体的な実施日程は各聴覚障害者関連団体が決定します。平成23年度の試験では、全国49団体（45都道府県、4政令都市）で試験が実施され、1507名が受験し、486名が合格しました。

多くの都道府県（大阪府を除く）では、この試験が、その都道府県で通訳者として活動するための条件となっています。合格率は年によって変動しますが、高い専門性とスキルが求められる試験であることを示しています。

関連資格

手話通訳者全国統一試験以外にも、手話通訳に関わる資格として以下のものがあります。

手話通訳技能認定試験（手話通訳士試験）
手話技能検定
* 全国手話検定試験

これらの資格は、それぞれ異なるレベルや内容を対象としており、手話通訳のスキル向上を目指す上での選択肢となります。

まとめ

手話通訳者全国統一試験は、全国共通のレベルで手話通訳者の能力を評価する重要な試験です。この試験の合格は、手話通訳者としてのキャリア形成において大きな一歩となるでしょう。試験を受験しようと考えている方は、事前に試験内容や受験資格などをしっかりと確認し、万全の準備をして臨むことが重要です。

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