扶桑 (戦艦)

戦艦扶桑 (ふそう)



扶桑は、大日本帝国海軍に所属した戦艦であり、扶桑型戦艦の1番艦として1915年に竣工しました。日本独自の設計による超弩級戦艦としては初で、その名は日本古代の異名に由来しています。艦内には男山八幡宮や伊勢神宮艦内神社が設置されていて、艦の重要性を物語っています。

設計と建造歴


扶桑は、1912年呉海軍工廠で起工され、1914年に正式に命名されました。進水式では圧縮空気を利用して紙吹雪が舞い上がる演出が行われ、当時の技術の粋が集まったものでした。竣工当時の扶桑は、約3万トンの巨艦であり、その建造は世界初のドック方式で行われました。

艦歴と活動


扶桑は、竣工後も数々の重要任務に従事しました。1923年関東大震災では、海軍兵学校の生徒を救援するために出動し、重要な役割を果たしました。また、1924年には摂政宮の御召艦として任命されましたが、艦内で腸チフスの患者が発生したため、急遽行啓が中止されるという不運も経験しました。

近代化改装


扶桑は、ワシントン軍縮条約後に大規模な近代化改装が行われました。特に1930年には主砲指揮所の新設と艦橋部分の改装が行われ、これにより艦の防御能力や戦闘能力が大幅に向上しました。1934年には再度近代化改装が行われ、艦尾が延長されるとともに対空火器の増設も図られました。

太平洋戦争と最後


太平洋戦争初期には様々な海上任務に従事し、ミッドウェー作戦などにも参加しました。しかし、その後は出撃の機会が減り、訓練艦としての役割が多くなりました。1944年にはスリガオ海峡夜戦に参加し、そこにおいてアメリカ艦隊からの攻撃を受けて沈没しました。

沈没の詳細


スリガオ海峡で扶桑は魚雷攻撃を受け、最終的には大爆発を起こして沈没しました。その際、多くの艦員が犠牲となり、艦長を含む幹部は全滅したとされています。ただし、一部に生存者もいたとの異説も残っており、詳細は不明な面があります。

告別


扶桑はその後、戦後に除籍され、艦の名は現在でも日本の歴史に刻まれています。また、扶桑に因んだ名前の競走馬や牧場も存在し、その名に相応しい存在感を今も保っています。戦艦扶桑は日本海軍の誇りと悲劇を共有した艦として、今なお多くの語り草として語り継がれています。

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