抗日戦争第7戦区

抗日戦争第7戦区の概要

抗日戦争第7戦区は、日中戦争における日本軍に対する中国側の作戦を実施するために、中華民国国民政府が設立した重要な戦区の一つです。この戦区は、戦争の状況に応じて2度にわたって設置され、特に南京防衛や広東地域での日本軍の降伏に関連して歴史的な役割を果たしました。

第1次設置（1937年〜1938年）

第1次の設置は、日中戦争初期の1937年10月下旬に実施されました。この時期は第2次上海事変で中国軍が敗北し、首都南京の防衛が急務となりました。これを受けて、国民政府軍事委員会は、当時第3戦区に属していた江蘇省南部、浙江省北部、安徽省南部の東部を分割し、第7戦区を設立しました。%i

この戦区の司令官には劉湘が任命され、副司令官には陳誠が配置されました。第7戦区の部隊は、南京攻略戦に関連した作戦を実行し、「南京保衛戦」として知られる重要な戦いに参加しましたが、1938年初めにはこの戦区は廃止されることとなりました。

主要な指揮官と部隊

第7戦区には、以下のような指揮官が配置され、多数の部隊が編成されました。

• - 第8集団軍：司令官 張発奎
• - 第7軍団：司令官 廖磊
• - 第15集団軍：司令官 陳誠
• - 第16軍団：司令官 羅卓英
• - 第33軍団：司令官 劉建緒
• - 第33集団軍：司令官 劉湘
• - 第24軍団：司令官 唐式遵
• - 第25軍団：司令官 潘文華

第2次設置（1944年〜1945年）

第2次の設置は、日中戦争が末期を迎えつつあった1944年前後に行われました。この時の第7戦区は広東省に拠点を置き、1945年9月13日に改訂された受降計画の一環として設立されました。この区域では、広東地区と香港を含む日本軍の降伏と武装解除が求められる状況に対応するため、再び第7戦区が設けられました。

指揮官・作戦区域

1944年には、余漢謀が第7戦区の司令長官を務め、作戦区域は広東省に設定されました。また、第12集団軍も彼が指揮し、直属部隊や特別部隊が配置されました。1945年の受降区域としては、広東省が指定され、日本軍の捕虜が集結する場所としても香港が含まれることとなりました。

参考文献

この戦区に関する詳細な情報は、何応欽による『日軍侵華八年抗戦史』（1982年、台北、黎明文化事業公司）に記されています。この著作は、抗日戦争における戦域の構造や主要な出来事を深く掘り下げ、当時の中国の抗戦の実態を理解する上で貴重な資料となっています。

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