折田兼至

折田 兼至（おりた かねたか）

折田兼至は、1858年3月11日に薩摩国給黎郡知覧郷（現在の南九州市）で、生まれた政治家および実業家である。彼は神職・折田丹江の長男として育ち、幼少期から学びに励んだ。教育を受けた場所では、和漢学や英学を修め、その後の政治活動においてもその知識を生かすことになる。

経歴の始まり

1882年に家督を相続し、同年に熊本にて九州進歩党を設立。この動きは地方政治の発展において重要な役割を果たした。続いて、学務委員や徴兵参事員、衛生会委員、県教育会副会長など、地方政治の要職を歴任しながら、地域住民のために多大な貢献を続けた。

1890年に第1回衆議院議員総選挙に出馬し、鹿児島県第2区で当選を果たす。その後も、1892年、1894年の選挙で連続当選を達成し、立憲革新党に所属して政治活動を行った。彼の政治家としてのキャリアは、県会議員としての活動を経て、最終的に4期にもわたる衆議院議員としての経歴を持つに至る。

政治の転身

1897年に鹿児島県政友会が設立されると、折田は政界から退き、鹿児島県農工銀行の取締役頭取に就任。その後は実業家としての道を歩み始め、地域経済の発展にも寄与した。彼の経営手腕は、地域社会に新たな雇用を生み出すことにつながった。

政界引退後も、折田は地域の文化や教育に対して情熱を持ち続け、地域会議や文化事業にも関与することで、彼の理念を実現しようと努力した。

家族と親族

折田には妻のヒナがあり、彼女は実業家・宮原直二の妹であった。また、彼の五男である折田泉は、著名なヴァイオリニストおよび作曲家として名を馳せている。

折田兼至は、1923年にその生涯を閉じるまで、政治・経済・文化の多方面において地域貢献を続けた。彼の業績は、後の世代にも引き継がれ、彼の名前は鹿児島の歴史に刻まれている。

参考文献

• - 篠田正作 編『明治新立志編』鍾美堂、1891年。
• - 人事興信所 編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
• - 人事興信所 編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。
• - 『衆議院議員総選挙一覧 上巻』衆議院事務局、1915年。
• - 議会制度七十年史 第11』大蔵省印刷局、1962年。
• - 南日本新聞社編『郷土人系 上』春苑堂書店、1969年。
• - 鹿児島県姓氏家系大辞典編纂委員会編著『鹿児島県姓氏家系大辞典』角川書店、1994年。

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