拓跋簡

拓跋簡（元簡）：北魏の皇族、斉郡順王の生涯

拓跋簡（たくばつ かん、または元 簡（げん かん）、460年 - 499年）は、北魏の皇族であり、斉郡順王という地位にありました。字（あざな）は叔亮（しゅくりょう）といいました。

生涯

文成帝と沮渠夫人の間に生まれた拓跋簡は、太和5年（481年）に斉郡王に封じられました。その後、中都大官という官位に就きました。彼の性格や容貌は、母方の祖父である沮渠牧犍（そきょ ぼくけん）によく似ていたと伝えられています。後に内都大官に転じました。

孝文帝が拓跋簡とともに皇信堂で文明太后に朝の挨拶を行った際、拓跋簡は孝文帝の右側に立ち、家族としての礼をもって挨拶をしました。その後、太保（たいほ）という重要な役職に転じました。当時、孝文帝の叔父の中で生存していたのは拓跋簡のみであったため、孝文帝は彼を非常に重く遇しました。

しかし、拓跋簡は非常に酒好きであり、公私の区別がつかないほどであったとされています。彼の妻である常氏は、拓跋簡に禁酒させようと試みましたが、彼は密かに酒を飲んだり、侍女に酒を求めたりして、ついに禁酒させることはできませんでした。

太和23年1月26日（499年）に、拓跋簡は40歳で亡くなりました。諡（おくりな）は霊王（れいおう）とされました。その後、宣武帝の時代に、諡が順（じゅん）と改められました。

家族

妻

常氏：燕郡公常喜の娘。孝文帝により妃として立てられることは許されませんでしたが、宣武帝の時代に斉郡太妃となりました。

子

元演（げん えん）：字は智興（ちこう）。中塁将軍・衛尉少卿を務めました。
元祐（げん ゆう）：字は伯授（はくじゅ）。斉郡王・涇州刺史を務めました。
元琛（げん しん）

伝記資料

『魏書』巻20 列伝第8
『北史』巻19 列伝第7
* 太保斉郡王墓誌（元簡墓誌）

拓跋簡は、北魏の皇族として一定の地位にありましたが、酒好きが災いして公私混同する一面もありました。しかし、孝文帝からはその人柄を愛され、重く遇された人物でした。彼の生涯は、北魏の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

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