宣武帝

宣武帝（せんぶてい）

宣武帝は、北朝時代の北魏第7代皇帝であり、激動の時代を生きた人物です。

生涯

483年、孝文帝の次男として誕生しました。母は高句麗出身の貴人、高照容です。宣武帝は聡明で、他人への気配りができ、容姿にも恵まれていたと伝えられています。

496年、異母兄である元恂が皇太子の地位を廃されると、翌497年に元恪が皇太子に立てられました。499年、孝文帝が崩御すると、17歳で皇帝の座に就きます。即位当初は、咸陽王元禧、任城王元澄、北海王元詳、広陽王元嘉、尚書令王粛、吏部尚書宋弁といった6人の大臣による輔弼を受けました。

501年になると、国政を側近や外戚である高肇（高照容の兄）に委ね、親政を開始します。これに対し、叔父の元禧が反乱を計画したため、これを処断しました。508年には、異母弟の京兆王元愉が冀州で反乱を起こすと、これを鎮圧。高肇の進言により、叔父の彭城王元勰をも誅殺しました。

治世中、宣武帝はしばしば南朝梁を攻撃し、蜀方面への領土拡大に成功しました。北方では柔然に大きな打撃を与えています。しかし、熱心な仏教信者であったため、次第に仏教信仰にのめり込むようになりました。

515年1月、33歳で崩御し、洛陽郊外に埋葬されました。

陵墓

宣武帝の陵墓は、邙山陵墓群の一部として、全国重点文物保護単位に指定されています。1992年に盗掘被害に遭ったため、遺跡保護を目的とした緊急発掘調査が行われました。陵墓は版築によって作られた円形の墳丘で、直径は約112メートル、高さは約23〜24メートルです。中心部にある地下の方形の墓室から、南に向かって甬道が伸びています。甬道の延長線上にある入口付近には、高さ4メートルの巨大な石人像が設置されていましたが、盗掘によって首が失われています。

宗室

后妃

順皇后于氏（于勁の娘）
崇憲皇后高英（宣武帝の生母である文昭皇太后の兄、高偃の娘）
貴嬪司馬顕姿（司馬悦の三女）
貴華王普賢（王粛の長女）
修華嬪乞伏氏
嬪李氏
嬪崔氏（崔亮の娘）
婕妤嬪李氏（李彪の娘）
充華嬪胡氏（霊太后）

男子

元昌（夭折）、母は于氏
（未名）（夭折）、母は高英
元詡（孝明帝）、母は胡氏

女子

* 建徳公主、母は高英

もう一度検索