拳王軍

拳王軍：恐怖による支配を掲げたラオウの軍団

『北斗の拳』に登場する拳王軍は、世紀末覇者・拳王を名乗るラオウが組織した軍隊です。北斗神拳伝承者争いに敗れたラオウが、恐怖による支配を実現するために結成しました。本稿では、主に第1部とそれを原作としたアニメに登場した構成員を中心に解説します。

概要

翼の生えたコブラの紋章を掲げ、核戦争後の荒廃した世界に覇を唱えた拳王軍。ラオウ自らが率いる軍団は「拳王軍団」とも呼ばれ、その構成員は多岐にわたります。カサンドラ監獄の獄長ウイグルや、ヒルカ、狗法眼ガルフといった悪党やごろつきが多数を占める一方で、リュウガやザクのような良将も存在しました。

その圧倒的な武力で世界を席巻しましたが、ケンシロウによってラオウが倒されると、その勢力は衰退し、解体へと向かいました。

主な構成員

主要人物

ラオウ：北斗四兄弟の長兄。拳王軍を組織し、恐怖による支配を目指す。
黒王号：ラオウの愛馬。漆黒の巨体で、並の拳法家では近寄ることさえ許されません。ラオウへの忠誠心は厚く、ケンシロウとの戦いで見捨てられそうになったラオウの元に最後まで寄り添いました。ラオウ亡き後はケンシロウの愛馬となります。
リュウガ：拳王軍の将軍。泰山天狼拳の使い手。ラオウに協力しながらも、真に天下を定める人物を探し求めました。
ザク：ラオウの側近。聖帝編から登場し、ラオウの進軍を補佐しました。ラオウとフドウの戦いでは、ラオウを救うためにフドウを射ますが、ラオウの怒りを買い重傷を負います。その後、ユリアに治療され、家族の元へ帰りました。
ソウガ、レイナ：ラオウとは修羅の国時代からの幼なじみの兄妹。兄ソウガは拳王軍の軍師、妹レイナは拳王親衛隊長を務めます。
ギラク：『ラオウ伝激闘の章』に登場する拳王軍の総参謀。ソウガ亡き後、ラオウに仕えます。
ガルダ：『金翼のガルダ〜南斗五車星前史〜』の主人公。拳王軍の一員ですが、ラオウへの忠誠心は薄く、リュウガからは謀反の可能性を危惧されています。

各地の支配者とその部下たち

ジャギ：北斗四兄弟の三兄。ケンシロウを憎悪し、その名を騙って悪事を働きます。
狗法眼ガルフ：ラオウが行方不明になった後に暴君と化した男。メディスンシティを占拠し、悪法を発布して人々を苦しめます。
アビダ：ラオウの元部下。ラオウ失踪後、村を占拠して暴虐の限りを尽くしますが、ケンシロウに倒されます。

カサンドラ監獄

カサンドラ監獄は、ラオウが恐怖による支配を象徴する施設です。凶悪犯や、ラオウに逆らう者、奥義を奪われた拳法家などが収容されていました。獄長ウイグルによって管理され、脱獄は不可能とされていました。

ウイグル獄長：カサンドラ監獄の獄長。不死身の肉体と、カサンドラ伝説を誇る巨漢。ラオウの覇道を揺るがすケンシロウを葬ろうとしました。蒙古覇極道などの技を使いケンシロウを苦しめましたが、北斗百裂拳の前に敗れました。
ライガとフウガ：カサンドラの獄門を守る双子の衛士。二神風雷拳の使い手。ケンシロウに敗れ、弟を人質に取られながらも、ケンシロウをカサンドラに通しました。
ザコル：ウイグルの部下。トキの真実に触れようとする者を処刑する処刑部隊の隊長。マミヤを処刑しようとしましたが、ケンシロウに倒されました。

アミバ一味

奇跡の村で「木人形（デク）狩り」と称し、秘孔の人体実験を行っていたアミバとその部下たち。

アミバ：自称「天才」の男。かつてレイと共に南斗聖拳を学んでいたが、奥義をさずかることはありませんでした。トキに恨みを抱き、その名を騙って悪事を働きます。
ハブ：アミバの副官で、木人形狩り隊の隊長。アミバの秘孔によって跳躍力を得ています。
ギュウキ：アミバの部下の巨漢。アミバの秘孔によって剛力を得ています。
ネバダ：アニメ版に登場するアミバの部下。かつてレイと共に南斗聖拳を学んだ同門の男で、アミバとつるんで悪事ばかり働いていました。

その他

ザルカ、カシム：拳王親衛隊。ライガとフウガを罠にかけて惨殺しました。
シーカー：拳王偵察隊の一員。ヤモリのような外観で、長い舌を持つ男。マミヤを襲いましたが、ケンシロウに倒されました。
ガロン：拳王侵攻隊を率いる隊長。火闘術の使い手。レイに倒されました。
でかいババァ：拳王の部下。老婆に変装してケンシロウ一行を待ち伏せしましたが、正体を見破られ倒されました。
烈闘破鋼棍を使う大男：トキとマミヤの前に立ちふさがった男。烈闘破鋼棍という2本の鋼棍を武器にしましたが、トキに倒されました。
ヒルカ：拳王配下の最強拳を自称するラオウの部下。泰山妖拳蛇咬帯の使い手。
ジャドウ：武装したバイクを駆る拳王親衛隊。ケンシロウを襲いましたが、返り討ちにされました。
ウサ：ラオウの宮殿の執事。ケンシロウに敗れて負傷したラオウをユリアが看病した様子を見て茶化し、ラオウに消されました。

ラオウ亡き後

ラオウが倒され、拳王軍が解体された後も、元拳王軍の肩書きを持つ者やその関連人物が劇中に登場しています。

赤鯱：修羅の国編で登場した海賊の長。かつてラオウに仕えていました。
リセキ、ハクリ：ラオウの息子・リュウを預かっていた老人とその妻。
コウケツ：拳王軍の馬係だったが、拳王軍解体後に大地主に成り上がった男。
ジンバ：コウケツの元上司。
バルガ：拳王軍屈指の良将だったが、時代の趨勢が読めずにコウケツの農奴に成り下がった男。
* バラン：ラオウに弟子入りを志願して拳王軍に従軍し、後に極北の「聖国ブランカ」の国王を幽閉して君主となった光帝。

拳王軍は、ラオウの野望の象徴であり、その崩壊は、北斗の拳の世界における一つの時代の終焉を意味しました。

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