南斗聖拳

南斗聖拳

南斗聖拳は、武論尊原作、原哲夫画の漫画『北斗の拳』に登場する架空の拳法です。中国拳法の一種とされ、北斗神拳と並び立つ存在として描かれています。

概要

南斗聖拳は、陰陽思想における「陽」の拳法であり、「陰」の拳である北斗神拳とは対をなします。北斗神拳が一子相伝であるのに対し、南斗聖拳は広く伝承され、多くの流派に分派しました。最盛期には1000を超える流派が存在しましたが、核戦争の影響により、20世紀末には108派にまで減少しています。

南斗聖拳の特徴は、手刀などで相手を切り裂いたり、突き刺して貫いたりする技が多いことです。流派によっては武器の使用も認められています。しかし、全流派に共通する真髄は、「外部から突き入れ全てを破壊する」ことであり、内部から崩壊させる北斗神拳とは対極に位置します。また、強力な流派には鳥類に関連する名前が与えられていることが多いのも特徴です。

脚技が少ない流派が多いですが、中には白鷺拳や翡翠拳のように脚技を主体とする流派も存在します。

発祥と分派

南斗聖拳は、中国で「北斗宗家」から分かれた拳法の一つです。北斗の伝承者争いに敗れた者や、他の優れた拳法家が集まって「南斗」を名乗ったのが始まりとされています。その後、多くの流派に分派し、離散と集合を繰り返す中で、有力な六つの流派が生まれました。これらの六流派は「南斗六聖拳」と呼ばれ、南斗の流派を統括する役割を担いました。

南斗聖拳の修行は、各地の修練所や道場で行われます。流派間の交流もあり、南斗の拳法家たちが合同で修行する場面も見られます。ただし、各人がどのような経緯で各々の流派を学んだかは不明な点が多いです。サウザーの南斗鳳凰拳のみ、北斗神拳と同様に一子相伝となっています。

正統伝承者となるためには、南斗の里で「南斗十人組手」を勝ち抜き、南斗聖司教から印可を受ける必要があります。印可を受ければ、一つの流派に複数の伝承者が存在することも可能です（鳳凰拳を除く）。

南斗聖拳一〇八派

核戦争によって多くの流派が失われましたが、「南斗聖拳一〇八派」と呼ばれるグループが存在し、10年ごとに技を披露する「南斗相演会」を開催していました。この集まりは、核戦争の直前まで開催されていたとされています。また、レイの語る南斗の歴史にも、「南斗聖拳一〇八派」は別格の集団として登場し、「南斗六聖拳」がその頂点に君臨していました。

南斗六聖拳

南斗聖拳の頂点に立つ六つの流派であり、各伝承者は「宿星」を持ちます。皇帝の居城を守る六つの門の衛将ともされています。核戦争後の世界を生き延びた伝承者は、シン（南斗孤鷲拳）、レイ（南斗水鳥拳）、ユダ（南斗紅鶴拳）、シュウ（南斗白鷺拳）、サウザー（南斗鳳凰拳）、ユリア（南斗最後の将）の6名です。南斗六聖拳は、それぞれが幾つかの流派を従えており、ユダは配下の23派を率いていました。

核戦争後、南斗六聖拳は覇権を目指す者と平和を望む者に分かれ、最終的には北斗との争いに巻き込まれ、事実上全滅しました。

南斗正統血統

「南斗慈母星」のユリアは南斗正統血統であり、「南斗六聖拳最後の将」とされています。「慈母星」に該当する南斗聖拳は劇中に登場しませんが、ユリアの力は拳法ではなく、相手の心身を癒すものとされています。「南斗最後の将」は、南斗と北斗を一体化する力を持つ者が継承できる星とされています。

極十字聖拳との関連

『蒼天の拳』には、南斗聖拳に酷似した「極十字聖拳」が登場します。使い手が鳥の名を名前に用いるなど、南斗聖拳との関連が示唆されていますが、公式な関連性は明言されていません。宿星も「南斗六星」ではなく「南十字星」であるため、同一の門派とは断定できません。

主な流派

• - 南斗孤鷲拳
• - 南斗水鳥拳
• - 南斗紅鶴拳
• - 南斗白鷺拳
• - 南斗鳳凰拳
• - 南斗飛燕拳

これらの流派は、それぞれ独自の技や奥義を持ち、北斗の拳の世界を彩っています。

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