拳銃無頼帖 電光石火の男

拳銃無頼帖 電光石火の男

作品情報

『拳銃無頼帖 電光石火の男』は、1960年（昭和35年）5月14日に劇場公開された日本の犯罪アクション映画である。戦後の日活アクション映画黄金期を代表するスターの一人、赤木圭一郎が主演を務め、野口博志が監督を務めた。日活株式会社が製作・配給を手掛けた本作は、好評を博した「拳銃無頼帖」シリーズの第2作として位置づけられている。併映作品は益田喜頓主演の『素晴らしき遺産』だった。

概要・ストーリー

本作は、ハードボイルドなタッチで描かれるシリーズの世界観を踏襲している。物語の中心となるのは、主人公の丈二（赤木圭一郎）だ。彼はかつて、自身が所属していた興業組織のボスの身代わりとして、闇討ちの罪を被り刑務所に収監されていた。長い刑期を終え、久しぶりに自由の身となった丈二だったが、娑婆に出ても平穏な日々は訪れない。過去の因縁は彼を追跡し続け、出所した彼を待ち受けていたのは、何者かに命を狙われる危険な状況だった。丈二は、自身が犠牲になった組織への不信感を募らせ、やがて自身を陥れた者たち、そしてかつての興業組織全体への激しい復讐を決意する。裏社会を舞台に、冷徹な銃捌きと電光石火のような行動力を持つ丈二が、組織の陰謀に立ち向かい、自らの手で決着をつけるべく孤高の戦いを繰り広げるサスペンスフルな展開が描かれる。

キャスト

主演の赤木圭一郎が、クールでニヒルなアウトロー、丈二を演じ、その存在感を示した。ヒロイン役には、当時の日活を代表する女優の一人である浅丘ルリ子が出演し、物語に華を添えている。対立する勢力の中心人物としては、大津昇を二谷英明が、五郎を宍戸錠が演じ、主人公と緊迫感のある駆け引きや対決を繰り広げる。また、ジーナ中川役で白木マリ（白木万理）が、金役で藤村有弘が個性的なキャラクターを演じている。組織の重鎮である大津仁作には菅井一郎、辰吉に高品格とベテラン俳優が脇を固める。さらに、当時まだ若手だった吉永小百合が節子役で出演しており、杉山俊夫演じる貞夫と共に物語に登場する。他にも、雪丘恵介（四日市署署長）、嵯峨善兵（麻島均）といった実力派に加え、多数の日活俳優陣が作品世界を彩っている。

スタッフ

監督は、日活アクションを数多く手掛けた野口博志が務めた。企画は浅田健三。原作は城戸禮、脚本は松浦健郎が担当し、緊迫感のあるストーリーを構築した。撮影は永塚一栄、照明は河野愛三、録音は高橋三郎、美術は小池一美がそれぞれ担当し、作品のビジュアルと音響を形作った。編集は辻井正則、助監督は宮野高、製作主任は山野井政則。音楽は山本直純が手掛け、劇中のムードを盛り上げた。また、迫力あるアクションシーンの技斗は高瀬将敏が担当している。主題歌は主演の赤木圭一郎自身が歌う「野郎泣くねえ!!」（作詞：水木かおる、作曲：藤原秀行）が使用され、作品のイメージを強く印象付けた。

併映作品

本作は、『素晴らしき遺産』と二本立てで公開された。『素晴らしき遺産』は、藤田敏夫原作、高橋二三脚本、春原政久監督、益田喜頓主演の作品である。

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