持続

持続の概念とその哲学的意義

持続（じぞく）とは、基本的に物事が長く保たれることや続いていくことを意味します。この概念は、フランスの哲学者アンリ・ベルクソンの思想においても重要な役割を果たしています。彼は「持続」を「純粋持続」と呼び、意識の流れを深く分析しました。

純粋持続と真の時間

音楽の旋律を例にとると、私たちが持っている意識の内容はそれを逆さにしたり切り刻んだりすることはできません。このことを通じて、ベルクソンは意識の流れを示唆しています。彼は内省を通じ、意識の直接的な体験が一つの流れとして感じられると述べます。この流れは、計測できず逆行不可能で、連続性と異種の混合性を持っており、自発的な能動によって生まれています。

この「純粋持続」は、空間的には表現できません。なぜなら、空間化自体が数学的抽象であり、それは測定可能で可逆的、均一なものと化してしまいます。そして、これはもはや真の時間の流れではなく、時間の輪郭にすぎないからです。このため、古典物理学における線形的な時間は真の時間とは言えません。ベルクソンによれば、実在の理解は、感性的な直観や知識によってではなく、超知的な直観を通じて可能になるのです。

持続と自由の関係

ベルクソンは、「純粋持続」が自由の根源であると考えました。通常、自由とは選択肢があることを意味します。たとえば、道の分岐点に立ち、どちらかの道を選べる状況を想像します。しかし、彼はこれを考えること自体が空間的に捉えられた時間の発想であり、生の自由な持続とはかけ離れていると述べます。

生命にとっての未来は、従来の分岐として存在するのではなく、常に「今」の中で継続的に創造されるものです。したがって、ベルクソンが提案する自由とは、純粋持続への回帰を意味し、純粋自我から生じる行為として現れます。

対照的に、物質界は過去を惰性的に繰り返すものであり、持続の緩やかさを象徴しています。物質は「自らを破壊する」存在ですが、生命は「自らを形成する」存在です。このように、宇宙の存在は持続に伴う緊張から成り立つ創造的進化として理解できるのです。

結論

ベルクソンの「持続」の概念は、時間や自由についての新たな視点を提供しており、私たちの意識の本質について深い洞察を与えてくれます。彼の哲学は、生命や宇宙における複雑なプロセスを理解する手助けとなるでしょう。持続はただ単に時間が流れることではなく、その中で創造性や自由がどのように発揮されるかを問う重要なテーマなのです。

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