指 (松本清張)

指 - 松本清張の短編小説

松本清張の短編小説『指』は、1969年2月に『小説現代』に発表された後、1978年に短編集『水の肌』として新潮社から出版されました。物語は、ホステスである福江弓子がメインキャラクターであり、彼女の物語が徐々に展開されます。

あらすじ

弓子はある日、帰宅する途中で御茶ノ水の喫茶店に立ち寄ります。そこで、バーのマダム、生方恒子と偶然相席することになります。恒子の持つ品格ある色気に引かれた弓子は、彼女の高級マンションに同行することに。マンションに着くと、恒子は弓子に泊まっていくように誘い、その際に脚の上に恒子の足先が乗ってくるなど、緊張感のある瞬間が続きます。

恒子はチワワを飼っており、弓子は犬がふたりの関係を見ているかのように感じ、気に掛かります。また、ふたりの関係はマンションの管理人・細井ヨシ子にも知られていますが、彼女は恒子に善意を寄せているため、弓子は安心しているように見えます。しかし、この安寧は彼女の思惑通りにはいかないかもしれません。

テレビドラマ化

『指』はこれまで3回テレビドラマ化されており、1979年、1982年、2006年にそれぞれ異なる制作により放送されました。

1979年版

1979年4月に放送された「松本清張おんなシリーズ・指」では、福江弓子を山本陽子、生方恒子を水谷八重子が演じました。この作品は視聴率17.2%を記録し、非常に人気がありました。

1982年版

1982年に放送された「松本清張の指」は、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」で放送され、このシリーズの歴代最高視聴率を記録し、視聴率は28.0%でした。この回では、福江弓子を名取裕子、生方恒子を松尾嘉代が演じています。

2006年版

2006年には「松本清張スペシャル・指」と題されたドラマが放送されました。福江弓子を後藤真希が、恒子を萬田久子が演じ、様々な俳優たちが豪華に出演しました。サブタイトルは「スターになりたい!他人を蹴落とし誰とでも寝るわ…」というもので、視聴者に強い印象を与えました。

まとめ

『指』は、松本清張の独特な心理描写と緊迫感あるストーリー展開が光る作品であり、さまざまな形で再解釈されてきました。そのため、現在でも多くの読者や視聴者に愛されており、いまだに評価が高い短編小説です。

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