指原の乱

指原の乱：視聴率低迷も話題を呼んだ異色のバラエティ番組

2013年10月9日から2014年3月26日にかけて、テレビ東京（関東ローカル）で放送されたバラエティ番組『指原の乱』。HKT48の指原莉乃さんが冠を務めたこの番組は、そのユニークな企画と構成で多くの話題を呼びました。

番組は、指原莉乃さんが中心となり、様々な企画に挑戦していくというスタイルでした。2011年の『さしこのくせに〜この番組はAKBとは全く関係ありません〜』（TBS）以来、約2年ぶりの冠番組であり、テレビ東京系では初の個人冠番組ということもあり注目を集めました。特に、2013年6月のAKB48 32ndシングル選抜総選挙で1位を獲得した直後の放送開始だったことも、話題性に加わりました。

演出・構成は、指原莉乃さんが出演したドラマ『ミューズの鏡』でタッグを組んだ福田雄一さんが担当。福田さんも番組に出演しており、2人の軽妙な掛け合いが番組の大きな魅力となっていました。番組タイトルの『指原の乱』は、指原莉乃さん自身によって書き上げられたものです。「乱」というタイトルにふさわしく、番組内では「足軽兵」と呼ばれるキャラクターが、企画の説明などを簡潔に伝えました。その後、指原莉乃さんが考案したゆるキャラ「炎上ちゃん」と「消化くん」が登場し、足軽兵と共に番組を盛り上げました。

番組の撮影は、制作会社の会議室や移動車の中、そして企画内容に合わせた様々な場所で行われました。指原莉乃さんはHKT48の衣装ではなく、私服風の衣装で出演。また、番組内ではHKT48やAKB48グループの楽曲は一切使用されませんでした。

企画の交渉は、指原莉乃さんと福田雄一さんが自ら関係者の元へ赴くというスタイルでした。訪問先はオフィスや喫茶店など様々で、交渉場所も事前に決定していませんでした。移動中や訪問先で交渉成立を模索する様子も番組の重要な要素でした。

指原莉乃さんと福田雄一さんは「面白いトーク」を目指していましたが、2人だけで話すトークは「使えない」と判断されることが多く、放送では大幅にカットされたり、早送りされたりしていました。スタッフ間でも、放送するかどうかを巡って議論が巻き起こることもあったそうです。番組ではお金の話も多く、福田雄一さんは「不浄なお金の流れを暴いていく番組」と表現していました。

番組は、低視聴率に悩まされ、最終回では第18回の視聴率が0.1％だったことも明かされました。番組終了の理由は、福田雄一さんが他の仕事（ドラマ監督、カメラマン業務など）で多忙になったこと、スタッフも他の番組制作に携わることになったことなどが挙げられました。

低視聴率にも関わらず、『指原の乱』は独特の雰囲気と個性的な企画で視聴者から一定の支持を得ていました。2017年には、HKT48の1stシングル『092』に収録された短編映画DVD『東映 presents HKT48×48人の映画監督たち』の中で、『指原の乱 冬の陣』が制作・発売されています。これは、番組への想いが形となったと言えるでしょう。

番組には、指原莉乃さんと福田雄一さんの他に、AKB48グループのメンバーや、様々な業界の人々がゲスト出演しました。編集長、カメラマン、映画プロデューサー、アイドル雑誌編集者、テレビプロデューサー、ラーメン店店主、俳優、マジシャン、占い師など、多様なゲストが出演し番組を彩っていました。

『指原の乱』は、視聴率という点では成功とは言えなかったものの、そのユニークな企画と、指原莉乃さんと福田雄一さんの掛け合い、そして様々なゲストとの交流によって、多くの視聴者に記憶に残る番組となりました。視聴率にとらわれず、独自のスタイルで番組を制作した姿勢は、現在でも高く評価されています。

もう一度検索