捕鯨砲

捕鯨砲（ほげいほう）

捕鯨砲は、火薬の力を利用して銛を撃ち出し、クジラを捕獲するための装置です。主に沿岸捕鯨や遠洋捕鯨で使用され、大型クジラを捕まえるために設計されています。地元の漁業法令では「もりづつ」という名前が使われています。小型のクジラを捕獲するためには、より小さな捕鯨銃が用いられます。

歴史的背景

人間の歴史の中で捕鯨は古代から行われていましたが、初めは手投げの銛を利用していました。アメリカでは18世紀からマッコウクジラを母船式で捕獲しており、その際にも手銛や火薬を用いた銛の発射装置が利用されていました。しかし、ナガスクジラ類は死ぬと沈むため、その捕獲は困難でした。この問題を解決したのが、1860年代にノルウェーのスヴェン・フォインによって発明された捕鯨砲です。この装置によって、捕獲したクジラを船に確実に引き寄せることができ、商業捕鯨の時代が開かれました。

捕鯨砲の構造

捕鯨砲は、小～中口径の平射砲の形式を持ち、銛を発射するために設計されています。射出された銛にはロープが付いていて、クジラを捕獲する際にはそのロープを通じて捕鯨船と接続されます。口径は国によって異なりますが、日本では75mmのものが使用されています。銛の装填方式には主に後装式と前装式があり、効率的に発射できる後装式が一般的です。

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