排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律

排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進に関する法律

この法律は、日本の排他的経済水域（EEZ）及び大陸棚の保全とその利用を推進するための基盤を提供するものです。平成22年6月2日に成立し、通称「低潮線保全・拠点施設整備法」として知られています。この法律は特に沖ノ鳥島や南鳥島といった日本の島々の権益を保護することを目的としており、中国がこの地域に対して「岩」と主張していることに対抗する狙いも含まれています。

背景と成立の経緯

2010年5月18日には衆議院で全会一致で通過し、5月26日には参議院でも全会一致で可決され、法律として成立しました。法の施行は、同年6月24日から開始され、主に低潮線の保全や関連する施設の整備に関する条項が含まれています。

主務官庁と執行機関

この法律の実施に関しては、内閣総合海洋政策本部が主務官庁として責任を持っています。具体的な業務は内閣府の総合海洋政策推進事務局が担当し、他にも国土交通省や沖縄振興局など複数の省庁及び関係自治体と連携して、法律の円滑な執行を図っています。

基本計画の策定

法律の第3条では、政府が低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する施策の基本計画を定めなければならないと述べており、基本計画は2010年7月13日に閣議決定されました。この計画では、海洋立国を目指す日本として、EEZの保全と利用を長期的かつ戦略的に進めることの重要性が強調されています。

低潮線の保全

低潮線は、潮が引いた際の海岸線を指し、EEZの設定において重要な基準となります。法律はこの低潮線の周辺水域を保全区域として指定し、掘削や他の行為を行う際には国土交通大臣の許可が必要です。不許可での行動や条件違反に対しては、国土交通大臣が行為の中止や撤去を命じる権限を持ちます。しかし、北方領土及び竹島周辺については、他国が実効支配しているため、区域指定は行われません。

特定離島港湾施設の整備

この法律は「特定離島」を政令で定め、資源開発に資する港湾施設の整備を国が行うことを定めています。南鳥島と沖ノ鳥島が特定離島として指定されており、これらの港湾では水域の占有を行う際に国土交通大臣の許可が必要です。

罰則規定

法律では、無許可での行為に対する罰則も設けられています。たとえば、低潮線保全区域内での無許可の海底掘削行為に対しては、最大1年の懲役か50万円以下の罰金が科される可能性があります。

結論

この法律は、日本の海洋権益を守るための重要な枠組みを提供しており、国内外での領有権主張を強化する目的も持っています。海洋資源の保全と持続可能な利用を実現するために、国家全体で連携し、具体的な施策を推進していくことが求められています。

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