探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…

概要

『探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…』は、1990年にデータイーストから発売されたファミリーコンピュータ用アドベンチャーゲームで、「探偵 神宮寺三郎シリーズ」の第4作目にあたります。本作は後にPlayStation用『探偵 神宮寺三郎 アーリーコレクション』（1999年）に収録され、さらにゲームアーカイブスとして配信されました。また、Wiiのバーチャルコンソールでも楽しむことができ、携帯アプリ用ゲームとしてもリメイクされ、2007年にニンテンドーDS用の『探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶』が販売されました。

本作のタイトルは、前作『探偵 神宮寺三郎 危険な二人』（1988年）が影響されており、沢田研二のシングル「時の過ぎゆくままに」からインスパイアを受けています。パッケージには『探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに』と明記されています。

ゲーム内容

システム

ゲームはコマンド選択方式で進行し、前作同様に神宮寺パートと洋子パートが存在します。時制によって画面が変わり、過去のパートではセピア色、現在のパートではカラーで描かれています。ただし、ロムカセットの特性上、バックアップ機能はないため、プレイヤーは続きから遊ぶ際に4文字のパスワードを入力する必要があります。これは比較的短いですが、パスワードを入力後は直接該当のシーンから再開するのではなく、各パートの冒頭からのスタートとなります。

エピソード

本作のストーリーにおける重要な要素であるズタは、実際に開発会社の近辺にいた犬がモデルとなっているようです。

あらすじ

物語はある夏の日、神宮寺が新宿中央公園で不思議な犬を見つけるところから始まります。その犬を見つけたことをきっかけに、1年前の依頼が彼の記憶に甦ってきます。依頼内容は、盗まれた絵画の捜索でした。表面上は簡単に解決すると思われましたが、実際には複雑な人間関係が絡んでおり、やがて神宮寺は真実にたどり着いていきます。

登場人物

• - 佐田 健一: 和美の一人息子で、心臓の病気を抱えています。
• - 佐田 和美: 健一の母親で、行方不明となっています。
• - 細川 良介: 信子の夫で企業経営者ですが、出張中に絵画の盗難に遭っています。
• - 細川 信子: 良介の妻で、神宮寺に絵画の捜索を依頼します。
• - 細川 英二: 良介と信子の息子で、最近家出から戻り、信子との関係が悪化しています。
• - 細川 淳子: 信子の連れ子で、英二の義理の妹です。
• - 花田 勘吉: ガラン堂という骨董品店を営む店主です。
• - ニッキー: 和美の勤める美容院の店長で、実名は「オオトリ ケイスケ」です。
• - ズタ: 熊野から預かった元警察犬で、神宮寺には冷たく接します。
• - よしえさん: 信子と親しいホステス仲間です。

移植版

本作は、携帯アプリ版としてもリリースされました。このバージョンでは、全編がカラーで統一されており、章ごとに確認パートが設けられています。プレイヤーはキーワードを正しく選択する必要があり、登場人物に警部補の小林勇介や謎の男である須賀が新たに追加されています。

スタッフ

この作品の脚本と演出は、野島一成が手がけています。演出には野中市郎も関与し、背景は信久敬雄や中山耕一が担当しました。キャラクターデザインには寺田克也が起用され、動画制作には山本良博や平根康子が関わりました。音楽は酒井省吾、浜田誠一、三浦孝史、鈴木雄司、高浜祐輔、山仲清二が担当し、技術面では淵上和男が携わりました。全体の指揮は竹内倫が、監督には吉田穂積が名を連ねています。

評価

ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは、合計25点（満40点）という評価を得ています。さらに、読者投票による『ファミリーコンピュータMagazine』の「ゲーム通信簿」でも20.17点（満30点）を記録しました。また、同雑誌の1991年5月10日号特別付録としての「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、セピア調の場面が画面の雰囲気を盛り上げていると紹介されています。

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