探偵業の業務の適正化に関する法律

探偵業の業務の適正化に関する法律（探偵業法）について

探偵業法は、探偵業に対する必要な規制を定め、業務の適正な運営を図り、個人の権利利益を保護することを目的とした日本の法律です。所管官庁は内閣府（国家公安委員会）であり、議員立法によって成立しました。

概要

探偵業法は、探偵・興信所だけでなく、他の者であっても、「他人の依頼を受けて」「人の所在又は行動について」「面接による聞き込み、尾行、張り込み」などに類する営業を行う場合には、原則として探偵業者としての届出を義務付けています。

ただし、「専ら、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行なわれるもの」は適用除外とされています。

探偵業務を行う際には、他の法令で禁止または制限されている行為を行うことができないことはもちろんのこと、個人の生活の平穏を害する等、個人の権利利益を侵害しないように注意しなければなりません。また、調査の結果が犯罪行為や違法な差別的取扱い等の違法な行為に用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはなりません。

探偵の権限は一般人が持ち得る範囲内に留まっており、探偵業法によって特別な権限が付与されるわけではありません。捜査権や逮捕権などは与えられておらず、特別司法警察職員とされることもないため、業務は従来通り民間の依頼に基づく個人調査が主となります。

探偵業務、探偵業、探偵業者について

• - 探偵業務：「他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報を収集することを目的として、面接による聞き込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を依頼者に報告する業務」を指します。
• - 探偵業：「探偵業務を行なう営業」を指します。
• - 探偵業者：都道府県公安委員会に届出をして探偵業を営む者を指します。探偵業を営もうとする者は、公安委員会へ届出書を掲示する義務があります。

欠格事由

探偵業法には、探偵業者になることができない欠格事由が定められています。

書面の授受と説明

探偵業者は、依頼者に対し、調査結果を違法なことに使用しない旨を確認する必要があります。また、依頼者に対して、法で定められた重要事項を書面を交付し説明する義務があります。契約時には、法で定められた契約内容を明らかにする書面を交付する必要があります。

守秘義務・秘密保持義務

探偵業者の業務に従事する者は、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはなりません（守秘義務）。

使用人、社員、従業員に対する教育義務

探偵業者には、使用人、社員、従業員に対する教育義務が課せられています。

報告義務・立入検査

探偵業者は、必要に応じて公安委員会に報告を行う義務があり、また、立入検査を受ける場合があります。

営業停止等の行政処分・罰則

探偵業法に違反した場合、営業停止等の行政処分や罰則が科せられることがあります。

探偵業法は、探偵業の適正な運営を確保し、個人の権利利益を保護するために重要な役割を果たしています。

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