探索艇 (宇宙戦艦ヤマト)

宇宙戦艦ヤマトシリーズの探索艇：多様な任務を担う艦載機

宇宙戦艦ヤマトシリーズには、戦闘だけでなく、様々な任務をこなす探索艇が登場します。本稿では、これら探索艇のデザイン、機能、そして各シリーズにおける活躍を詳細に解説します。

オリジナルシリーズの探索艇

オリジナルシリーズでは、地球防衛軍が運用する2種類の探索艇が登場します。いずれも宮武一貴氏によるデザインです。

100式探索艇

『宇宙戦艦ヤマト』に登場する100式探索艇は、探査を主目的とした特殊艦載機です。電子偵察機器を豊富に備え、機体下部にはレドームを装備。偵察、人員輸送など、戦闘以外のあらゆる任務に使用されました。単独での大気圏突入・離脱能力を有し、灰色を基調とした機体に黄色や緑色の塗装が施されることもありました。

操縦席は基本的には縦列複座ですが、劇中では縦列3座や並列複座の描写も見られます。着陸脚の代わりにスキッドを装備した機体も存在しました。ヤマトの艦載機としてだけでなく、地球防衛軍の各基地にも配備され、シリーズ第1作における地球軍の主力航空機と言える存在でした。しかし、続編では登場しませんでした。

ひおあきらの漫画版では、アニメ版とは異なるデザインの小型双発機として描かれています。この漫画版の機体には、大型のレーザーガンが装備されており、ガミラス軍の戦車部隊を攻撃する場面も描かれています。

特殊探索艇

『宇宙戦艦ヤマト』と『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場する特殊探索艇は、陸・海・空・宇宙のあらゆる環境で行動可能な、特殊な構造を持つ探索艇です。下部に収納式の6輪車輪を備え、翼の生えた車のような外観をしています。高い強度を持ち、分厚い氷を体当たりで破壊できるほどです。基本的には非武装です。

冥王星基地潜入作戦で使用されたほか、『ヤマトIII』ではバース星や惑星ファンタムでの任務にも投入されました。設定上は7人乗りですが、劇中では6人乗りとして描かれる場面もありました。

リメイクアニメの探索艇

リメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』と『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』では、新たな探索艇が登場します。

100式空間偵察機

玉盛順一朗氏（デザイン）と山根公利氏（コックピット）によってデザインされた100式空間偵察機は、100式探索艇のリメイク機体です。国連地上軍・極東方面空間戦闘群が運用するVTOL式汎用偵察機で、全長14.2mと設定されています。各種センサーやアンテナ、マニピュレーターを備え、垂直尾翼は折り畳み可能。操縦席は基本複座ですが、三座にも対応できます。

頑丈な着陸脚は伸縮・方向転換が可能で、低速でのオフロード走行も可能です。スキッドを装備することもあります。ヤマト搭載機は天体探査機能が強化されており、状況によっては着弾観測任務もこなします。『2199』では試作の亜空間ソナーを搭載した機体も登場しました。カラーリングは、灰色を基調とした火星仕様や、白を基調としたヤマト搭載機など、様々です。

キ8型試作宙艇

玉盛順一朗氏デザインのキ8型試作宙艇は、特殊探索艇のリメイク機体で「コウノトリ」の通称で呼ばれています。陸・海・空・宇宙の全環境に対応し、車輪構造、折り畳み機構などが詳細に設定されています。5人乗りで、コックピットは前部に3席、後部に2席の配置です。中央には分析ユニットを搭載できます。

設定上は「船舶」として分類され、「頑丈な船」を意識したデザインがなされています。『2199』ではヤマト艦内での反乱に備えた極秘機体として、予備機扱いとされました。

まとめ

宇宙戦艦ヤマトシリーズにおける探索艇は、時代や作品によってデザインや機能が変化しながらも、常に多様な任務を担い、物語を彩る重要な存在でした。それぞれの探索艇が持つ特徴や活躍ぶりを理解することで、作品への理解がより深まるでしょう。

もう一度検索