レドーム

レドームについての詳細

レドーム（英: Radome）は、アンテナを保護するための構造物で、言葉は「レーダー」と「ドーム」を組み合わせた造語です。日本では、これをレーダードームと呼ぶこともあります。レドームの役割は、自然環境からアンテナや電子機器を守ることに加え、可動式アンテナを外部から隠し、接触のリスクを防ぐことです。また、航空機においては流線型のデザインが導入され、空気抵抗を軽減しています。

地上施設におけるレドーム

地上施設のレドームは、主に風や雨、雪といった気象条件からアンテナを保護するために使われます。高周波の電波が使用されるレーダーでは、波長が数センチメートルからミリメートルに及ぶため、風による微動が測定に影響を与えることがあります。このため、レーダーサイトや無線中継所には、頑丈なレドームが設置されます。

特に、漁船のマストに取り付けられる小型レドームは球形状に塑性加工され、強度が必要な大型のものはジオデシック・ドーム構造が採用されます。多くの場合、内部の温度変化を防ぐために外部が白く塗装または白い素材が使用されます。360度を監視できるレーダーには球型のレドームが多く、一方向の監視には特定の形状のカバーが用いられます。さらに、平面レーダーでは平面状のカバーが設定されることもあります。

航空機におけるレドーム

航空機のレドームは、流体力学を考慮して流線型に設計され、風圧からアンテナを守りつつ、機体全体の空気抵抗を軽減します。多くの軍用機は、ノーズコーンと呼ばれる尖った形状のレドームを採用しており、この内部にはさまざまなアンテナが配置されています。また、民間航空機でも、椀状のレドームで内部の機器を守る設計がされています。

早期警戒機や早期警戒管制機においては、背面に円盤型のレドームが存在し、大型の回転式または固定式のアンテナが保護されています。特に軍事航空機では、ステルス性が重視されます。これに伴い、従来の透過性レドームでは金属製のアンテナが外部のレーダーに反射する恐れがあります。そこで、ステルス機には選択透過性素材が使われ、自機のレーダー波だけを透過する特性を持つレドームが導入されています。このような設計により、内部機器の外面も反射を抑える構造になっています。

結論

レドームは、アンテナを自然環境から守るだけでなく、性能や形状に応じて様々な役割を果たします。安全かつ効率的な通信や情報収集を行うために不可欠な存在であり、航空機や地上施設においてもその重要性は増しています。

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