接周辞

接周辞とは

接周辞（せっしゅうじ）または両面接辞（りょうめんせつじ）とは、語の前後に付加され、語の意味を変更したり補ったりするだけでなく、品詞を変えることもできる接辞の一種です。この形態素は、基本的には接頭辞と接尾辞が組み合わさったものとして考えられています。

接周辞の機能

接周辞の主な役割は、語の意味に対する詳細な情報を付加したり、異なる品詞に変換することでより豊かな表現を可能にすることです。このような言語の柔軟性は、特に敬語や古語において明確に観察されます。

ドイツ語における接周辞の例

例えば、ドイツ語においては接周辞「ge-」と接尾辞「-t」が一体となり、動詞の分詞形を形成します。「lieben」や「spielen」といった動詞にこれらを付加すると、それぞれ「geliebt」や「gespielt」となり、過去を表す分詞が作られます。この例からも、接周辞がどのようにして語を変形させるかが分かります。

日本語の接周辞

日本語においても接周辞の使用が見られます。敬語表現に着目すると、以下の組み合わせが存在します。

• - お- -する

- 伝える + お- -する = お伝えする
- 書く + お- -する = お書きする

• - お- -になる

- 飲む + お- -になる = お飲みになる
- 話す + お- -になる = お話しになる

このように、「お-」という接周辞が動詞に付加することで、より丁寧な言い方が構成されています。これは、相手に対する敬意を表現するための日本語特有の形式です。

古語での接周辞

古語に目を向けると、接周辞として「な- -そ」という形が確認できます。これは禁止の意味を持ちます。

• - な- -そ

- 来る + な- -そ = 来るな（なこそ）
- 吠える + な- -そね = 吠えるな（な吠えそね）

この形式も、語の意味を制限するための有効な手段として機能しています。中でも「な- -そ」により、行動を遮るニュアンスが表現され、言葉に緊張感を与えています。

まとめ

接周辞は、さまざまな言語において語の形や意味を変わる重要な要素です。特に日本語では、敬語や古語においてその役割が際立っており、言葉に奥行きや繊細さを与えています。言語をより深く理解し、表現を豊かにするためには、接周辞の重要性を知っておくことが不可欠と言えるでしょう。

もう一度検索