形態素

形態素とは

形態素（morpheme）とは、言[[語]]学において意味を持つ最小の単位であり、それ以上分解すると意味をなさなくなる要素のことです。言[[語]]を構成する上で最も基本的な要素の一つであり、単語を構成するパーツとして捉えることができます。形態素の研究は、言[[語]]の構造を理解する上で非常に重要です。

概要

形態素にはいくつかのタイプがあり、言[[語]]によってもその現れ方が異なります。ここでは、英[[語]]と日本語を例に、形態素の基本的な考え方と分類について説明します。

英[[語]]では、単語（word）よりもさらに細かい単位が形態素となります。例えば、複数形の「-s」も独立した形態素として扱われます。一方、日本語では、文節よりも小さい単位であり、自立語、付属語、接辞が形態素として認識されます。

分類

形態素は、その機能や意味によっていくつかの種類に分類できます。

機能的形態素

• - 自由形態素 (free morpheme)：

- 単独で語として使用できる形態素です。例えば、「やま」のような名詞がこれにあたります。
- 内容形態素とも呼ばれます。

• - 拘束形態素 (bound morpheme)：

- 単独では使用できず、必ず他の形態素と組み合わせて使用される形態素です。
- 例：「お-」（「お金」の「お-」）

• - 語根 (root/radical)：

- 語彙的な意味を持つ形態素です。例：「たか-」（「たか-さ」「たか-い」）

• - 機能的形態素 (functional morpheme) / 文法的形態素 (grammatical morpheme)：

- 語彙的な意味は持たないものの、文法的な機能を持つ形態素です。
- 例：「-さ」（名詞化）、「-い」（形容詞化）

語根は自由形態素である場合もあれば、拘束形態素である場合もあります。また、構造上、語として振る舞う拘束形態素を接[[語]]、それ以外の拘束形態素を接辞と呼びます。

異形態 (morph)

一つの形態素が複数の異なる形で現れることがあります。例えば、「雨」という形態素は、「あめ」「あま」「さめ」などの異なる形で現れます。これらはすべて同じ形態素に属する異形態と呼ばれます。異形態には、単独で語として現れる自由異形態（例：「あめ」）と、他の形態素にくっついて現れる拘束異形態（例：「あま-」、「-さめ」）があります。

文法的形態素

文法的形態素は、語根が示す観念を特定の文法カテゴリへ導く役割を持ちます。比較[[言[[語]]学]]によって、これらの形態素の起源をたどることが可能です。語根と接尾辞が組み合わさって語幹が形成され、この語幹に文法的形態素が付加されることで、格、数、人称などが示されます。

また、形態素の付加は、派生語の形成にも関わります。派生とは、ある語に形態素が付加されることで、新しい品詞の語が作られることです。例えば、名詞、形容詞、動詞、副詞などが派生によって生まれます。

形態素の付加とそれによる音韻変化は、言[[語]]の歴史的な変化を反映しており、形態素の同定には歴史[[言[[語]]学]]的なアプローチが必要となる場合があります。

まとめ

形態素は、言[[語]]を理解するための基本的な単位であり、その分類や機能を知ることは、言[[語]]学を学ぶ上で非常に重要です。この記事では、形態素の基本的な概念と分類について解説しました。より深く形態素を理解することで、言[[語]]の構造をより深く理解することができるでしょう。

参考文献

鈴木重幸 「構文論における形態素主義について」（『横浜国立大学人文紀要』第二類　語学・文学第二十二輯、1975年。『形態論・序説』むぎ書房、1996年、ISBN 978-4-8384-0111-6に再録）

関連項目

言[[語]]学
形態論
形態素解析
全文検索
クランベリー型形態素
書記素
語彙素

外部リンク

* ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『形態素』 - コトバンク

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