措置制度

措置制度とは

措置制度とは、身体障害者（児）や知的障害者（児）、その他の児童、高齢者といった、支援を必要とする人々に対して、行政が提供する福祉サービスの内容を決定する制度です。この制度は、福祉サービス利用の入り口として機能し、サービスの利用希望者に対して、自治体がその利用条件を満たしているかどうかを審査します。

制度の概要

措置制度では、サービスの利用を希望する人が申請を行うと、自治体がその人の状況を調査し、福祉サービスを利用するための条件を満たしているかを審査します。この審査の結果に基づいて、サービスの利用可否や、利用可能なサービスの種類、利用する施設などが決定されます。この制度は、障害者福祉サービスや高齢者サービス、児童福祉サービスが開始されて以来、長年にわたって実施されてきました。

制度の問題点と移行

しかし、措置制度には、利用者の意向が十分に尊重されないという問題点が指摘されていました。サービス内容や利用先の決定が行政主導で行われるため、利用者の希望やニーズが反映されにくい状況がありました。このため、児童福祉施設への入所を除き、2003年4月1日より、より利用者主体のサービス提供を目指す支援費制度へと移行することになりました。

民間サービスの萌芽

措置制度下においても、全く民間企業によるサービスが存在しなかったわけではありません。例えば、家政婦サービスを提供する「やさしい手」が古くから存在していました。また、1980年代頃からは、「アースサポート」「ヘルシーライフサービス」「ツクイ」「セントケア」といった介護福祉関連の民間サービスが台頭し、多様なニーズに対応する動きが見られました。これらの民間サービスは、制度の移行後も、現在の介護・福祉サービスを支える重要な役割を担っています。

支援費制度から障害者総合支援法へ

措置制度から移行した支援費制度も、サービスの地域格差や財源の問題が指摘されるようになり、2006年4月1日からは、障害者自立支援法（2013年からは「障害者総合支援法」）へと移行しました。この法律は、障害のある方が自立した生活を送ることを支援することを目的としており、より利用者本位のサービス提供を目指しています。現在では、障害者総合支援法に基づいたサービスが、障害のある方々の生活を支える上で重要な役割を果たしています。

まとめ

措置制度は、かつては福祉サービスの根幹をなす重要な制度でしたが、時代とともに変化するニーズや課題に対応するため、支援費制度、そして現在の障害者総合支援法へと移行してきました。この変遷は、より利用者の意向を尊重し、多様なニーズに応じたサービスを提供するための継続的な取り組みの過程と言えるでしょう。

関連項目

• - 支援費制度
• - 障害者自立支援法
• - 障害者総合支援法

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